毎日新聞中ほどのコラムに本棚がありまして、
水曜日のコラムは「きつねのでんわボックス」の作者、戸田和代さんでした。
ご自身の幼少時代に読んだ安寿と厨子王丸の話が重くのしかかったそうで、
きつねのでんわボックスを書く事に繋がり、
作品を書く過程において重荷を振りほどけた事に、ご自身も気づく事になりました。
児童文学に無くてはならないものとして挿絵が有ります。
優れた児童文学は例外なく美しく優しい作者の想いが伝わる画に和みます。
同日の日経新聞文化面では赤羽茂乃さんが絵本画家の父上を語っていました。
私の大好きなスーホの白い馬の挿絵を描いたのが赤羽末吉さんです。
作者の気持ちに寄り添い、多くの子供達に思いをはせて描きます。
毎日新聞の本棚には過去に松谷みよ子さんも寄稿していて、
その時に名著、「龍の子太郎」の話しをされていました。
思えば不思議な話が多い児童文学ですが、子供の時分に読んだことが、
大人になって違う環境で読むと魔法のように優しい気持ちになれます。
この先も優れた作品が多くの子供達に幸せな気持ちを運んでくれるでしょう。
いつの間にか街中から減っていく電話ボックスをあらためて眺めると、
なんだかホッとして休まる気分になれるのが幸せな性格です。