皆さんは「ノーマライゼーション」を知っていますか?
函館の民間活動『ぶどうの木』は、週の始まりである日曜日、翌月曜日を定休日としています。最も力を注いでいる「ぶどうの木学び会」は、落ち着いた雰囲気の中で無事に前半を締め括ることができました。ホッとしています。今日は、名実ともに精神障がい者となったため、車で外出する際に示す「障害者のためのシンボルマーク」(車椅子に人が乗っているマーク)を買い求めてきました。最近は障がい者が利用しやすいように駐車場でも入り口付近にスペースをとっていますが、時として函館市内のショッピングセンターに行くと、マークを貼り付けずに止めている車、また運転手を見ると、明らかに健常者である方が車から降りてくる様子を見ることがあります。「自分さえ良ければいい」現代人の一つの行動でしょうか。さて、皆さんは「ノーマライゼーション」を知っていますか。もしかしたら「ことば」も「意味」も聞いたことがない方がいるかもしれません。知らない方と会話をしていたら、障がい者に対する偏見と差別は無くならないし、うつ病のこと、自殺予防対策のことを話す以前の課題だと思いました。2008年最初の「ぶどうの木学び会」は、このことから取り上げていくことになるかも知れません。「ノーマライゼーション」の提唱者は、デンマークのバンク・ミケルセンです。彼の生涯、ノーマライゼーションのことを学ぶ書物として、『ノーマライゼーションの父』N・E・バンク・ミケルセン その生涯と思想』(花村春樹訳・著 ミネルヴァ書房 増補改訂版)があります。バンク・ミケルセンは、次のように述べています。「障害があるからといって、社会から阻害され差別される理由はないのです。たとえ身体的あるいは知的な障害があっても、彼は一個の人物を持ち、障害がない人と人間として何ら変わりないのです。障害がある者が、社会で日々を過ごす一人の人間としての<生活状態>が、障害のない人びとの<生活状態>と同じであることは、彼の権利なのです。 ですから可能な限り同じ条件のもとに置かれるべきです。そのような状況を実現するための生活条件の改善が必要です。それを表現する言葉として、『ノーマリゼーション』という語を用います。 彼らの人としての権利が実現するような社会の状態をつくりだしていかなければならないのです」『ノーマリゼーションの父』N・E・バンクミケルセン その生涯と思想』(花村春樹訳・著 ミネルヴァ書房 増補改訂版 p117~p118)最後に『自殺対策基本法』(平成18年10月28日施行)に明記されている(国民の責務)を申し添えておきます。この国の新しい自殺予防対策が始まるなかで重要な条文です。第六条「国民は、自殺対策の重要性に対する関心と理解を深めるよう努めるものとする」