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カテゴリ:Trivia...
『くわんくわん』=『口のまわりに食べているものが沢山ついていること』という表現を今まで当たり前のようにして使って来た。
でもここに来ていろいろな地方出身の人と出会い、どうも『くわんくわん』は「東京弁」(というか、厳密に言うと「江戸弁」)らしい…という事に気が付いた。 食事をしている時に「お口のまわりが『くわんくわん』だよ」というように使うのだけれど、英国に来て以来「なに、それ?」「聞いたことない」「どういう意味?」と聞かれる事しばしば…。私は『お口のまわりをくわんくわんにするのは、はしたない』という風に育てられているし、今まで『方言』だと認識した事がなかった。 小学生の頃に読んだ、落語を子供用に分かりやすく記述した本に小坊主さんと和尚さんの話が載っていた。 [簡単に説明すると…] 和尚さんの留守中、彼が大事に取っておこうと思っていた『あんころもち』を小坊主が誘惑に負けて食べてしまい、『和尚さんに見つかっては大変!』と仏像の口のまわりに食べ残りのあんこをぬりつける。帰ってきた和尚さんは「わしのあんころもちを食べたなぁ!」とおかんむり。でも小坊主は「仏像が食べたんですよ」と仏像を指差す。和尚は(口のまわりが『くわんくわん』の仏像を見て)「食わん食わん…と言ってるじゃないか!」と反論。…すかさず小坊主は「奴はしらを切ってるんです、釜ゆでにして白状させましょう」と仏像を煮立てる…。すると仏像はゆだって『くったくった』(食った食った)と白状…というオチ。 そんな小話があるくらいなので、我が家ローカルではなく東京(江戸?)地方に存在する表現なのは明らか。でも同じ東京出身でもご両親が地方出身だったりすると「くわんくわん」を知らなかったり、はたまた間違った解釈をしていたりする模様。 『共通語』だと思っていた『東京弁』が『方言』であり得る、というのはこの年になってある意味『目からウロコ』でした(実は方言…大好きなんです、私)。 これから面白い『方言』の話題になったら、ただのオブザーバーではなく「私も知ってる!」と参加できます。 …でも未だにこんなに長年、当たり前に使っていた表現が通じないのがなんとも不思議でなりません…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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