時の流れるのが早いのはトシのせいかもしれませんが、それでもやはり驚きます。年が明け、我が新聞社では「東日本大震災から1年」の企画の検討が本格化してきました。もう1年・・。しかし今日も新聞を開くと、「あの日」について、そして「あの日の後」について、いまも誰かが話をしています。
私が愛読しております週末be(1月21日)でも「うたの旅人」に登場したのは、震災を機にアメリカから日本へ戻り、被災地ライブを続けている八神純子さん(懐かしい)。。。スケジュール管理も航空券の手配も、マネジャーでなく自分ひとりでしているという彼女は、「人と直接つながりをもって活動することのすばらしさを覚えてしまったんですよね」。テレビ番組案内欄のインタビューでも、女優の永作博美さんが、「かつての自分はただ生きていただけ」「大震災や原発事故を経て、視座が変わった。一歩踏み込んで生きないとだめ」と話しています。
こういうものを読むたびに、ああそうなのかと、しばし目を閉じたい気持ちになる。多くの人の深いところで、何かが静かに変わったのだと。それは、熾火のように燃え続ける「よきもの」であると思いたい。その「よきもの」が、あの震災で亡くなった人たちが残したものなのだと思えば、できるだけ長く抱きしめて生きなければいけないのだと。
で、私の「よきもの」とは何なのか? とりあえず今も続けていることは「1日500円募金」と「節電」です・・・深くもなく平凡で申し訳ないのですが・・・・
でもですね、節電。日々のたゆまぬ生活改善の結果、「マスター」といえる領域に達してきましたよ! なんと、最近3カ月の電気代はすべて、月1000円を切りました! かねてからの目標であった「個人的脱原発計画」を恒常的に達成することに成功しております!
(※個人的脱原発計画=関西電力は発電する電力の半分を原発に依存しているため、関西に住む全員が電気代を半減すればすぐにでも脱原発社会が成立する、という稲垣の単純な理論に基づく「ひとり計画」)
で、その究極の節電生活で、このところ大活躍しているのがコレ!
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そう。火鉢です! なにしろ この冬、エアコンもこたつもホットカーペットも電気毛布も使わない生活に挑戦中なもんで。。。。
で、火鉢といえば・・・熱燗!!
![](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Faspara.asahi.com%2Fulrsc%2F6%2Fblog%2Fsake%2F201201%2Fb4503ae690abfede.S.JPG&b=42b7e75c558069d81f764b803319b8eb)
これがですねえ・・・至福です!
これまでは台所でお湯を沸かして燗をつけていたので、ちろりのお酒がなくなると、せっかくよい気分になってきたところで「よいしょっ」と腰を上げて、台所へ行って、ちょっとさめてしまったお湯を再びわかしなおして、ちろりにお酒を入れて、とぷっとお燗して・・・しばし待って、いい具合になったところで味見をして、よしっとなったところで再び食卓へ戻り・・・め、めんどくさいよ! というか、面倒なのはまあいいとしても・・・せわしないよ! ダラーッとしたくてお燗を楽しんでいるはずが、なんだか立ったり座ったり。一人暮らしをこよなく愛する私ですが、こればっかりはどうなのかと。
ちなみに「一人用の卓上燗つけ器」というのもあるらしいですが、熱源は電気なので、究極の節電を目指す私としては導入はできません。
で、ずーっとこの「せわしない熱燗ライフ」が心に引っかかっていたところ、正月に帰省した実家でめざとく発見したのが「火鉢」! 母の実家から譲り受けたものらしいのですが、もちろん現役で活躍していたわけではなく、インテリアを兼ねたモノ入れとして床に置いてあったのでした。
すかさず母に「あれ、もらってもいい?」と聞くと、「あ、いいよ」。さっそくに宅急便で送ってくれたのでした。親とはなんとありがたいものか。元の持ち主の祖父母にも感謝♪
とはいえ、火鉢なんて当然ながら使ったことありません。
あれこれネットで調べると、その名も「火鉢屋」さんのサイトに行き当たりました。どうやって使うのか、道具は何をそろえたらいいのか、注意点は何か、そして火鉢の楽しさとは何かまで、初心者にもわかりやすく丁寧に書かれています。なになに・・・。とりあえずそろえるのは「灰」と「炭」と「炭興しのセット」と「火箸」と「灰ならし」と、あと鉄瓶をかけるための「五徳」。どれも、これまでの人生で全く無縁のものばかり。でもこのお道具、各地の一流の伝統職人さんが手間隙かけてつくっておられるものばかりで、説明を読んでいるだけで楽しいんですよね・・・
次回へ続く
稲垣 えみ子(いながき・えみこ)プロフィール
![](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Faspara.asahi.com%2Fulrsc%2F6%2Fblog%2Fsake%2Fcommon%2Finagaki.jpg&b=643b078721eaf55724d27ec3096deace)
1987年に朝日新聞記者となり、社会部、週刊朝日編集部、大阪版編集長などを経て、2010年4月から地域ニュースディレクター。プライベートではヨガインストラクターの資格を持つ健康マニアで、生ゴミ堆肥によるベランダ菜園と、裏山(六甲山)登山が趣味。
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最終更新日
2012.02.22 09:37:14
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