カテゴリ:昔はみんな貧しかった でも幸せだった。
キャロルはわんちゃんのパラダイス写真館http://r.goope.jp/ ちょっと変わった男がいた。まるで漫画の世界から飛び出したような強烈なキャラクターの 持ち主だった。怖い顔ではなく非常に愛嬌のある顔で性格も非常にいい。私の高校時代の悪 友であるが、彼の常識は我々の非常識で、常に失笑の的であった。いくら注意しても直す気が なく、まるで唯我独尊、我道を歩むタイプであり、それでいて、なぜか彼と一緒にいる時は、話 が弾み楽しいのである。人の家に上がりこんでは、勝手に飯を食いだす。それも遠慮せず食 い尽くすから始末に悪い。この男に遠慮と言う言葉は頭の中には存在しない。最後には炊飯 器の釜や味噌汁の鍋など脇に抱え、最後の一粒、一滴までむしゃぶりつくすのだ。家人も開い た口が開いたまま、あきれ返っている。「ポリバケツ」彼に付いた名誉あるあだ名である。彼は 嫌がることなくこの名前が非常に気に入っている節があり、ポリバケツをかぶってはおちょけて いた事を思い出す。もう一人の悪友が非常に似顔絵が上手く、呆れるほど特徴を鋭く捉える。 彼が「ポリバケツ」の似顔絵を描いた時、デフォルメされた顔はそっくりで、自腹が捩じれるほ ど可笑しくて転げ回ったものだ。丸い顔に分厚い唇、小さな目、吊り上った眉毛に、デカイ鼻、 そしてプロレス狂である。下級生にも瞬く間にその似顔絵は"秀作"として浸透したのである。下 級生もフランクに上級生の教室に入り込み、彼の顔を拝みに来る。その中に漫画を描くのが 何よりも好きな彼らはいた。数年後、ポリバケツの彼にそっくりの顔のプロレスラーが現れる。 その作品によって彼らは有名な漫画家に君臨する事になる。悪友「ポリバケツ」は彼たちの筆 により、ヒタイに肉の刺青をいれられ、正義のプロレスラーのヒーローとなり日本を席捲、大ブ レイクするのだが、チビッ子達の大好きなプロレスラーのヒーローが我、悪友がモデルだとは 当時を知る者しか知らない。そんな正義のヒーローのモデルになった彼もキャンブルには勝て ず、噂では余りいい話は聞こえてこない。 文章と写真は関係ありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.04.05 21:08:18
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