74話 下町の人たちー2
キャロルはわんちゃんのパラダイス写真館http://r.goope.jp/carol若干19歳の叔父の嫁はお昼時に狙ったようにやって来る。「おね~ちゃん、おはよ~う~」何時ものの挨拶である。買い物籠の中には必ずお菓子が一袋入っているのだ。幼い私が見てもそれほど美しくない女性がどうして叔父が気に入ったのか解らない。上がり込んではすぐに叔父の悪口が始まる。それも毎日よくネタが切れずに喋り事が出来るものかと驚愕するぐらい早口でまくし立てるのだ。持参しているお菓子の袋は開いて一人で食べている。よく一人で食べれるもんだと感心しながら聞き上手な母は時々なだめたりするがエスカレートする一方で全く人の言葉を聞き入れようはしない。他に話題が無いのか、人をこき下ろすことが快感だったのに違いない。この礼儀知らずな小娘の顔を見ると嫌な気分にさせられたもので、母親に何とかしてくれと懇願したが苦笑いするのみである。しかしそんな新婚生活はやはり長く続かず、全くなまなましい話ながら、家に間男を引きこんでいた処を母に見つかり、この嫁の浮気がばれてしまった。もちろん即、離婚である。この悲しい話に密かに喜んでいたのは誰でもなく私で、もうあの嫁の顔を見ないで済むかと思うと嬉しさが体から滲み出てくる事がわかるのだ。可哀想なのは叔父であるがその数年後、私もお気に入りの素晴らしい女性と巡りあい再婚することになり子宝にも恵まれ今では幸せに暮らしている。余談ながら嫁の親戚筋から聞いた話だが離婚した嫁は間男と別れ、数ヵ月後に"医者"と結婚し幸せな生活をしていると聞いた。おそらく全くの眉唾ものであると思うが、それがもし本当の話ならこれほど良いことはない。"医者"といわれる方には多少の同情はするが幸せになって欲しいものである。文章と写真は関係ありません。