東京バロック・スコラーズという合唱団の演奏会で、バッハの初期カンタータを聴いた。
第106、4、131の3曲である。
以前も紹介したが、東京バロック・スコラーズは、新国立劇場合唱団指揮者の三澤洋史先生率いる、バッハを専門にする合唱団。演奏会は3回目で、「若き日のバッハ」というタイトル。これに先立って、4月12日に三澤先生と、対談形式の講演をさせていただいた。
そのときの報告は、対談後半のヴェルディ話から、「なぜヴェルディが好きなのか」になってしまったので、書き漏らしてしまった「初期カンタータの魅力」をちょっと。
多くのバッハファンも言うが、初期カンタータは名曲ぞろい。第106番を聴いてバッハにはまった、というひとを5、6人は知っているし、第4番や131番もファンは多い。
個人的には、この中では第4番が一番好きかな。
三澤先生の言うところでは、初期のバッハは、後期のノイマイスター形式のようなカンタータの定型がまだできていないので、1曲1曲全力投球して、いろいろ工夫をしているという。
その多彩な響きは、今日の演奏会で改めて確認できた。とくに合唱の多様さは本当にすばらしい。
もうひとつ、聖書の言葉を中心にした、ルター的という側面も重要という。
たしかに初期のバッハは、ルターの息吹のなかで暮らしていた(生地アイゼナッハは、ルターが聖書を訳した場所)。生涯を通じてバッハとルターは切り離せないが、初期はとくに濃密かもしれない。
それにしても、初期のバッハの完成度の高さは驚くばかり。音楽史に名を残している作曲家はもちろんみな天才だが、バッハとモーツァルトはなかでも特別、といつも思うのだ。
東京バロック・スコラーズのHpは下記。来年は「ヨハネ」と「クリオラ」を取り上げるとか。大曲ばかりで充実感がありそう。でもカンタータもお忘れなく!
misawa-de-bach.com
演奏会後の打ち上げ会にて、三澤洋史先生と、、、、
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