In My Life

　

無理を承知の上で、昨日は東京まで出かけてみました。今の体力でどこまでやれるか試してみたい、というのもありました。そこには、自分が好きな事をするのであれば半日位なら身体のほうもなんとか保ってくれるだろう、などという甘い読みも加わっていました。結果的にそれがやはり甘過ぎたことを思い知らされたのですが…。

　

昨日は先ず科学技術館で開催中の『2013弦楽器フェア』へ行き、帰りに『ブックフェア』開催中の神田神保町古書店街に寄りました。ところがそこで力尽きてしまい、休憩できる場所を探そうとしたとき、偶然にもそのとき僕が立っていた場所が、あの城戸真亜子さんの作品（壁画）を鑑賞できることで有名な喫茶店『古瀬戸』の入り口だったのです。

　

体力が十分に回復するまで、ということでだいぶ長い時間お店にいさせてもらいましたが、実はあまりにも居心地が良過ぎたせいもあったのです。壁画や店内ギャラリーに展示された作品があまりにも味わい深くて、特にこの巨大な絵を描いたときにどんな想念が城戸さんに働いていたのかを想像するのは実に楽しいものでした。お客さんのほとんどが読書に勤しんでいる様子でしたが、僕の目には客もアートの一部となって壁画に溶け込んでいるように感じました。お店のスタッフの方たちがまた大変印象に残りました。高齢な方が多くて意外でしたが、それがとても新鮮に感じました。心の温かさと品格の良さがにじみ出ていて、それに皆さんすごく楽しそうに働いていらして。だから僕はたくさんの元気をもらい、感動もいただいたのでした。

　

帰りのハイウェイバスの中でも熟睡できて良かったのですが、その分帰宅時刻はかなり遅くなって２３時近くとなってしまいました。無謀な部分もあったことは否めませんが、現時点での体力の限界を知ることができました。そんな中でも、ちょっとした偶然が重なってくれたおかげで心のほうは大変充実した、いつもとは違う「芸術の秋」を満喫できた旅でした。