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カテゴリ:着物
先週予告したように、辻が花を伝承されている福村健さんとお話させていただきました。
![]() 福村さんは京都のお人で、お父様が辻が花染め職人の福村廣利さんということで 子どものころから着物には親しみがあり、お母様が着物をよく着ていらっしゃり、 門前の小僧ではないけれど、知らず知らずに目が肥えていらっしゃった様子。 同志社大学を卒業されるころから、何かものづくりにたずさわりたいと思い始め あれこれ考えていると、お父様がなさっていることが素晴らしいことだと気がつかれたとか。 辻が花と呼ばれる手法は、室町時代、十二単から小袖の時代へと移り変わる頃に でてきたものだそうです。 十二単の頃は、何枚もの着物を重なる「色合わせ」がファッションの表現法だったのが 小袖になって「模様の表現」がファッションの主流に移り変わってきた、 その模様を作る手法として絞り染めが当時可能な技術だったというわけです。 その後、墨描き手法が、わびさび、当時の死生観とあいまってプラスされ、 もう一方では安土桃山時代から秀吉の時代にかけての絢爛豪華主義、 金箔キラキラという路線にも発展して行ったそうです。 ただ、その後、友禅という画期的な手法が出てきたため、辻が花は一旦廃れてしまったと 教えてくださいました。 福村さんは、現代にそぐった辻が花を追求していきたいとおっしゃっていました。 辻が花って、絵で言うとパステル画のように、ちょっとぼんやりした感じが魅力だと 思います。また、絞りによる布の凹凸も味わい深い。 作っていらっしゃる側からすると、絞りって染めてくくっていた糸をほどいてみないと わからない意外性があるそうです。 それは陶芸家が「焼きあがった釜を開けてみないと作品の出来がわからない」と いうのと似ているそうです。自分では思ったとおりにできなかった、失敗だったと 思うことがあっても、逆にそれが魅力になる作品もあり、奥が深くてご自分はまだまだ ひよっこなんだ、と謙遜されていました。 28歳、確かに伝統工芸の世界では本当に若いと思います。 でも素晴らしい伝統工芸を受け継ぐ心意気を持った若者がいることが頼もしいではありませんか! 「日本の女性は着物が本当に似合うし、綺麗に見える。そんな魅力を引き出す着物を 作っていきたい」とおっしゃっていましたよ。 憧れの辻が花、私もオーダーできるようになりたいワ! 今日の日記を気に入ってくださったら↓ポチっとクリックお願いします。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.11.19 08:58:41
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