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また夜更けに突然目が覚める
寝床の上にいても眠れやしないことは知っているので 諦めて紅茶を入れて飲む 何故だか夜中に目を覚ますと 昼間には考えないことばかり考える 今まで何一つ成し得ることなく年月をただ費やしてしまったこと 目の前に山積みになったままのこれからの不安のこと 自分の抱えて生まれて来た天命のこと 腕を伸ばしても決して指先にふれやしないもの ああ、僕が本当に求めている喜びはやっぱり一度も手にしたことがない 胃の辺りに感じるいやな疼きも 死ねば全部なくなって面倒くさいことはご破算 強くなるということは いやな場所には目を向けないで鈍感になること でもそんな妄想も少しずつ飽きて来ていることにふと気付いて 窓の外を見るとやっぱり空が白んでいる 夜中にしか考えない事柄は カナカナ蝉の声に薄くなり 形を崩して見えなくなって行く いつもの事だ そのうち至る所から雨戸を開ける音がして 充分に眠りの報酬を受けた人々が活動を始める 僕にしたって 寝不足に痛む頭を抱えて家を出るころは 今日一日やりたい貪欲な生気しか残っていない お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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