[心に残るよい話]の記事一覧 | 【いよ式】iyoway.jp（ちゃんねる２楽天広場）

『退職前後は思い出に残る日々かも？』

きょうは一日おかねにならない仕事をずっとやってました。このブログを見た関係者の方々ごめんなさい！でも、充実した一日でした。お金になるか？ならないか？より充実感があるか？どうか？そうはいっても食べていかねばなりません。これが退職前後の悩ましい問題のひとつですね。偶然、次のブログを拝見し、徒然に書いています。もうすぐとあるベンチャー企業を辞めるヒトのブログ（仮設）http://ideatree.typepad.jp/創業（自営業）で成功するのはたいへんですね。でも、私は早期退職したあと、周りのヒトから「準」創業とかいわれながらズルズルやってます。それなりに食べてはいますが、決して楽ではないですねえ。ひとつ思うのですが、創業というのは第2の人生かも知れない。これは結婚して個人の家族を営むとかいう第1の人生より公的なものです。社会的な人生を踏み出すということでしょうか？サラリーマンと全然違いますから、ひとりでも法人（社会的なヒト）になる。これってたいへんなこと（ある意味では立派なこと）だと思います。なかなか思う方向へ進めませんが最近気になるヒトのご紹介。二人のSです。SeijiとSontokuのS。野間清治というヒトはすごく親しみやすくていちいち合点がゆきます。でも戦前の日本のジャーナリズムを支えた彼の功罪はあい半ばというべきか？なかなか全面肯定すると戦争という行き着くところへ行ってしまうような。。いずれにせよ野間清治というヒトは今の講談社を築いた偉人ではある。もう一人の二宮尊徳は誰でも知っている。でも、彼の書いた文章を見て私は驚愕しましたねえ。二宮金次郎少年のイメージとは違う、すごいリアリストです。しかも、自分だけのことを考えて行動していないところは野間清治の流れかなあ？あと二人のS。こっちはやや歴史的です。司馬遷（Sen)と北条早雲(Souun)。巨大な偉人の父親がよくできている。だから子供の司馬遷もよかったのか？北条早雲は伊勢新九郎と生きていたころは名乗ったらしい。中年の星と考えたいのだが、早雲は美化するにはおさまらない俗人の偉人？？変な感じですが、スーパーマンでないことは事実。司馬遷は宦官みたいな極刑に処された後の生き方がすごい。まあ、励みにはなるけれど野間清治ほど手の届く庶民感覚の延長にはいませんね。やはり、遠くで眺める星でしょうか？

万年筆専門店のご夫婦との対話

久々で「いい仕事をする」方と巡り合った。いつもの町の商店街に気になる店があった。万年筆屋さんである。年末年始に私は部屋の片付けをした。その時、偶然、昔買って使わぬまましまいこんでいたセーラーの万年筆が出てきた。インクカートリッジも１箱使わぬままそろっていた。数日前、この店を訪ね、修理を依頼したら、すっかりご夫婦の人柄に私はほれ込んだ。今日、修理してもらった万年筆を受け取りに行き、すっかり時を忘れて話し込んでしまった。トップページに書いたことばは、ご主人から聞いたもの。今では、ペン先を修理したり、万年筆の軸に名前を彫りこめる職人も少ないという。全国でも、こうした専門店は数えるほどになってしまったらしい。ご時世とはいえ、こういう文化は守りたい。まったく書けなかった万年筆が、まるでアイスリンクをスケート靴で滑るように滑らかに書けるようになった。ご主人に修理代を尋ねると、千円でいいという。先日は奥さんが親の代から８５年も万年筆一筋で商売を続けてきたと話してくださった。ご主人が昨年末、大手術をされ、まだ回復したてという。私は、お二人の万年筆に接すること、人に接すると等しい態度に感服した。今日は、奥さんが、万年筆は新品で買った時が、８０パーセントの性能。あと十年も二十年も持ち主が使い込むことで、その人の手に馴染み１００パーセントに育つということばが気に入った。その後、シャイで生真面目なご主人が、ぽつんと、はにかみながら言った。「われわれ万年筆職人の間では、昔から言われたことばがある。万年筆と女房は貸すもんじゃないってね。」ありがとう。大事に使わせてもらいます。西洋の哲学者が言ったことばを思い出す。人は物に愛着を覚えると。確かに、万年筆と万年筆を愛する人のつながり。大切にしたいものだと思った。

セックスボランティアの本から思うこと（ブリフィさんのBBSへの投稿文の再録）

ブリフィさんのblogに障害者向けのセックスボランティア（介護サービス）という本が紹介されていました。掲示板に書かせていただいた内容を再録します。一部加筆しました。私の妻は脳卒中で倒れ、左半身麻痺です。車椅子中心で杖歩行が少しできるまで回復しました。５年かかりました。セックスボランティアは国内では議論を呼ぶでしょう。例えば、視覚障害者の方向けの点字図書作成委員会が以前は「良書」ばかり作ろうとした。でも、視覚障害者だって「くだらない本」や「エッチな小説」も読みたいこともある。こういう理解は必要でしょう。障害者に良書ばかりを点訳するというのも一種の偏見です。では、障害者へ肉体的なサービスまで介護として提供できるか？ヒントは障害者でなくても普通の人が肉体的なサービスを「介護」の名のもとに求められるか？ということです。「介護」は障害者以外にも必要です。たとえば膨大な高齢者への介護。これも含めて考えてみるのもヒントになるかもしれません。妻が倒れる前だったかも知れませんが、セックスボランティアのことを話したら、テレビに出演したボランティア希望の女性はおかしいと妻は答えました。私には若い女性がテレビでセックスボランティアをしたいと明言していることが驚きでしたので、妻に尋ねたら「ノー」だったわけです。障害を負った今、もう一度尋ねても妻は恐らく「ノー」と答えるでしょう。ボランティアなら何をしても許されるのか？問題は深いです。私は、以前雑誌で読んだ記事は許容範囲と思います。障害のある若い男性が「ダッチドール」を愛用して救われているという話です。南極探検隊員も使っているといううわさを聞きましたが、これくらいは許容範囲かと思います。ただ、生身の人間となると？かなりいろんな条件を吟味しないといけないでしょう。一概には言えないと思います。純粋なるセックスボランティアは成立するか？無償の愛でなく、無償のボランティア？これって、場合によってはかえって傷つけない？傷つかない？共に満足できる？肉体的だけでなく、精神的にです。奥深い問題ではあります。そもそも性の問題そのものが倫理と愛というきわどい問題ですしね。 (2005年01月11日 23時58分)

《はまぐり》と《九官鳥》の思い出

◆《はまぐり》と《九官鳥》の思い出。これは、私が以前参加していた精神疾患のMLで初めて書いたものです。今日は、簡単に書きます。◆私が小学生だったとき、理科の実験の宿題が出ました。はまぐりの解剖です。すごい宿題ですね。◆友人とはまぐりの足とか内臓とか、いろんな所を教科書に照らして解剖する。本当に小学校って残酷！？友人はピンセットを持ってきた。私は家になかったので、母の刺抜き（金属製）をやむなく持ち出した。友人が来たとき恥ずかしかったけど。ちょっと、刺抜きじゃあできませんよね。◆その時、どうなったか？友人がどうしたか？何十年も前のことなので忘れました。ところが、どういうわけか、私が一人ではまぐりの生きたのを１つだけ手にして、一生懸命に口をあけようと親指で力を入れる。そんな光景を覚えています。◆学校の想定では、お湯でゆでてから貝柱とか足とか腑分けするのだったらしい。ところが、私は生きたはまぐりの口をあけようと必死に力を入れた。はまぐりも二枚の貝の口を必死に閉じようとする。◆一進一退を続ける内に、はまぐりは私の指の力に負け、瞬間ぱっくりと口を大きくあけた。私は手ごたえが急になくなったので、驚いた。もうはまぐりはだらんと口をあけたまま。◆ショックでした。これが如実にこの手で生き物の生きようとする力と、死んだ瞬間を感じた初めての体験でした。今でも覚えています。小さな命の大切な何かを。◆中学になって、私は家で犬を飼っていました。母と弟は小鳥が好きで、十姉妹とか文鳥も世話をしていました。私は頭の上で糞をする小鳥たちが好きでなかった。◆そんなある日、父が得意先から九官鳥をもらってきました。母と弟は喜んで世話をするのですが、「ケッケッケ！」とか「キュイイン」とか「ゲッゲエエ！」とか「馬鹿！」とか薄気味の悪い声を出すこの黒い鳥が好きになれませんでした。◆ある日、家族が出かけることになり、私だけが留守番になりました。九官鳥の世話をせねばなりません。夏だったか九官鳥の糞のつもった新聞紙をとりかえ、餌や水をとりかえました。すると、黄色い鋭いクチバシで私の指をつつくのです。痛い！こんちくしょうと思います。◆最後に頭から水道の蛇口を上向きにし、少しずつ九官鳥の九ちゃんに水浴びをさせて終わるのですが、この儀式がめんどうくさい。もともと、いやいややってる私。◆思い切って、大きなバケツになみなみと水を入れて、一気に九ちゃんの頭の上からドボンと大量の水をぶちまけました。◆すると、驚いた九官鳥は止まり木からころげ落ち、うずくまったままぶるぶると震えています。しかも、目を大きく見開き、黄色い口ばしを、力なくあぐあぐとあけてはしめています。声ひとつ出ません。◆この瞬間、私は罪悪感に襲われました。初めて、こんな小さな生き物にも「恐怖心」があることを体験したのでした。九ちゃんは夕方になっても無口でおびえたまま。父母や弟が帰宅し、「なんだか、今日の九ちゃん元気ないねえ」などと首をかしげている様子に、私は再び罪悪感。◆小さな２つの物語でした。