カテゴリ:「我」と「世間・世界」の距離は何マイル?
娘さんの修学旅行が近い。
で、新しい下着やら服やらの準備に走るあたり、オレもクラシックに親やっとるなぁと思ってみたり。(ティーン向けの下着でも上下セットアップで買わないと気が済まないあたりは、どうか、なんだが。当の娘さん本人はそういうところにはまったく気が向かない) さて、娘さんの修学旅行の行き先は「修学旅行のメッカ」なのだが、うちのように、親の趣味の1つが「見仏」で、旅と言えば必ず寺や神社が見物場所に組み込まれるような旅をしている家は、あんまりないらしい。 そんなわけで、娘さんにとっては「家族で行ったあんなところやこんなところをプレイバック」の旅でも、クラスメイトの多くはもうまったく気乗りしてない状態で、いろいろ憂鬱らしい。おつかれ。 建物の配置、寺ごとのパーツのディティールの違い、仏像、そんなもんはたいした知識がなくてもそれなくなりに楽しめるのだが。 「寺、面白いのにねぇ」と親子でぼやいてみるが、娘のクラスメイト、こと娘のいる行動班はいまだタクシーでの班単位自由行動の日の行き先もまとまらないんだそうで。それは「みんなどこにも興味がないから」なんだそうだ。 しょうがないんで娘は家族で旅行した時のコースを踏まえて提案をしてみたそうなのだが、寺社施設の拝観・入場料、昼食代、おみやげ代含めて1人あたり8千円(タクシーのチャーター費用は別)もの予算があるというのに、あの街で「ファミレスでないと昼食は食べたくない」とかほざいているバカがいるというのだ。 「それって、いっぺん街の中心部に出ないとどうにも…」とオレも頭を抱えてしまった。 そう、景観を重んじるかの地には、観光施設の周囲には基本的にファミレスなど、ない。 観光地の仕方ない掟として、観光施設周辺の食事どころは高い。が、あらかじめ探しておけば予算そこそこでそれなりに美味しいものだって食べられる。が、そのそこそこの予算、具体的にはせいぜい2千円すら出し渋ってるバカがいると。 そして、娘の班の班長さんはその意見に振り回されてしまい、いっかなコースがまとまらない。 2千円すらダメなら幾ら出せるってそいつ等は言うんだと娘に訊くと、「マクドナルドのセット価格くらいだって…」とげんなりした声がまた。 そいつらは修学旅行に行かずマックかサイゼリアにでもずっといておけ! 3千円も出せば湯豆腐のコースだって食えるわ! お茶代で500円、拝観料だって学割で計千円ありゃ足りる。中学生が3千円以上も何の土産を買う? 「ものが分からない人間がつまらないって言うのは、結局そのへんでなぁ」と娘のこぼす愚痴を聞きつつ言うと、「今回、よく分かった…」と娘は眉をしかめていた。 ついでに、今までオレにツアコンを任せっきりで、如何に自分が楽でそこそこ楽しい旅をさせてもらっていたかが分かったと殊勝な言葉すら娘から飛び出して来たり。わはははは。 しかし、行くからにはせっかくなんだしその土地を楽しむという姿勢、それは我が家で旅行する時に欠かせないものなんだけど、そんなことすら身に付けて来られなかった子供達に修学旅行をさせる意味って、あるのかねぇ。 「1カ所見るのに集団で1時間しか見られないんだよ!」と、「1施設への滞在は平均3時間それ以上」というスローな旅をして来た我が家の娘さんは訴える。それが修学旅行ってもんだからそれは仕方ないんだが、寺院の庭の景勝を楽しむ下地ができてない連中と行くのは、つらかろうなぁ。 「あたしはずっとなおちゃんと旅がしたい…」という娘さんの頭を「これも社会体験だ。そう言うな」と撫でつつ、なんだかなぁとは思っているオレである。 文化的素養っていうものを軽視し続けてる世の中で、ホントに修学旅行なんてもんを唐突にやっている事に何の意味があるのか。(それだけ入れてやれば、極端な話、高校までの社会なんか一定レベル以上の成績は寝てたって取れるしなぁ…) それは分かっているからオレは子供達を自分で旅に連れ出して来たんだけど、予想していたよりもっとひどいことになりそうな娘さんの修学旅行である。 にしても学校、旅程を見るに1時間半とか中途半端な自由時間与えて「何か見てこい」はひどすぎ。まさか、それだけの時間じゃ何もまともに見れないのが分かってないとか言うなよ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月22日 14時37分22秒
コメント(0) | コメントを書く
[「我」と「世間・世界」の距離は何マイル?] カテゴリの最新記事
|
|