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カテゴリ:茶道日記
茶溜まりに螺鈿のようなきらめきをみせる赤楽のお茶碗。
二週間、あれこれ調べてようやくその正体にたどり着きました。 (ちょっとオーバー?) 「無鉛フリット」という赤楽の釉薬がその正体でした。 フリットとは硝子の粉砕物のことで、800℃前後で溶融し、結晶化しやすいのだそうです。 茶筅通しの際、湯を注ぎ、手なりに茶碗を傾けた時に私に見せてくれるあのきらめきは、「硝子の粉砕物」と「結晶化」と言う二つのキーワードで全て納得できます。 この「無鉛フリット」、いろいろ調べていくと、九谷焼技術センターで開発を進めている「無鉛赤絵具」も、無鉛フリットが関わっているようです。 ただ、技術屋さんの研究論文は難しくて、なかなか理解できません。 日本古来の「赤」を指す色名である、丹(に・たん)、鉛丹(えんたん)、赤丹(あかに)は、鉛が深く関わっています。 この丹を含む土に硫黄や硝石を加えて焼いてできる酸化鉛は、陶磁器の釉薬。 食器に鉛成分を使うことを避けるために、「無鉛フリット」が使われるのだと言うことは推察できました。 久々に日本の伝統色を確認すると、この赤楽は、丹により近い色相を持っていることにも気づきました。 お茶碗ひとつで随分勉強させてもらいました。 お茶は一生勉強させてくれそうです。 そして、縁あって私の元にやってきた、この丹色の楽茶碗に不思議な魅力を感じずにはいられません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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