私しか居ないランチタイムの職場に
修理工が下見に来た。
1人は30代半ば位の
物凄い男前
もう1人は
同じく30代半ば位なんだろーけど
老け顔の
禿げチビ。
もう1人は
若い見習いの
印象に残らないへらへら君。
3人揃って
とてもとてもフレンドリー。
私は
メイン・オフィスと隠れ家オフィスの
修理必要箇所を彼等に案内。
男前氏の優しい笑顔が眩しい!
語りかけるその声まで超セクシー!
あぁ
こういう男性って存在するんだ
...
と
とろけそうになったのも束の間
四十路に突入し
大人になった私には
若かりし頃には気にも留めなかったであろう
些細な事柄がいちいち引っかかった。
実例1
男前氏が会議室のドアを開け
メイン・オフィスの出口に向かう。
私はその後ろを歩く。
喋りながら時々振り向くその笑顔が眩しい。
若かりし私だったら
それしか目に入らなかったかもしれない。
が
大人になった私が見たのは
実例2
男前氏が開けた会議室のドアが閉まらぬ様
禿げチビ氏が押さえ
私に先に行く様に促す気遣い。
そして
偉そうに前を闊歩する男前氏の背中に
エゴと自惚れの深い影。
何処に移動しても
何を調べるにしても
男前氏の笑顔は眩しく
ウットリするほど優しい声から
紡ぎ出されるその会話は
幸せなほどフレンドリー
だが
態度は常に自己優先
というか、
優先され慣れた人間独特の
悪気の無い「気付かなさ」
が
垣間見られるのであった。
そりゃあ
母親も姉妹も従姉妹も
身内一同ひれ伏したくなる
男前であるから
全盛期には
多くの女性達がひれ伏し
全てを彼に捧げ
その影をも踏まぬ様に
後ろを歩いたに違いない。
てか
青年期の全盛期は過ぎたものの
壮年期の全盛期真っ只中
その後は
中年期の全盛期
高年期の全盛期と
死ぬまで全盛期的な
男前であるからに
常に愛され慕われる男として
既に身に付き
この先どんどん悪化の一線を辿るばかりの
「優先され慣れたエゴ」は
隠したくても隠せない。
そんな男前氏とは逆に
禿げチビ氏は
気の毒になるほど甲斐甲斐しく
常に私を気遣い優先する。
もしも今
この2人のどちらかを選べと言われたら
私は迷わず
禿げチビ氏を選ぶ。
若かりし頃は
ただのどこにでも居る
「いい奴」
で終わっていたであろう
禿げチビ氏的存在を
大人になった今
高く評価し尊重する事が
出来る様になった。
T兄さんは
まさにその
禿げチビ氏的存在なのである。
ちなみに丸子は男前氏的存在である。
あはははは