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晴走雨読

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July 6, 2007
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カテゴリ:つれづれ・・・
 
 
 
 
 
 
「ママ~っ、これよんで~っ~!」

雑誌大の大きさの絵本を抱えるようにしながら僕の前をゆっくりと女の子が移動していく。

”ぺたんっ、ぺたんっ”

子供用のスリッパの後ろ半分を余している。

「ね~ぇ~、まま~ぁ~っ!」

お母さんは受付で何か説明を受けている。

初診のようだ。

女の子は絵本を右脇に、左手をお母さんの足に絡ませながら体を揺らしていた。

ときおりこちらをちらっと見ながら。。





東京タワーにほど近い歯科医院に僕はひと月前ぐらいから通い始めている。

歯医者にお世話になるのはおそらく15年ぶりぐらい。

その15年前、僕の歯は惨憺たる状態だった。

虫歯があちこちで進行していて、食べ物を安心して噛める部分は右側の(たしか・・・)ほんのわずかなスペースしか無かった。

うっかり噛んではいけない場所を使い、脳内にイナズマが走るたびに

カトちゃんの”歯~っ、磨けよな~っ!”の映像が何度フラッシュバックしたことか。

ドリフを見て笑ってるだけのアホな子供の末路はあまりも分かりやすい結果を僕にもたらした。


仕事が忙しくなり、バッファリンが効かなくなり始めた頃、僕はある歯科医の門を叩いた。

それがこの歯医者さん。

数ヶ月に渡る大工事の末、僕は地獄の淵から生還することができた。

あまりの痛さに登院拒否になりそうになりながらも耐えたおかげで、

この15年間はとても快適に暮らせた。(歯に関してだけですが^^;)


今は月に2回ほどのペースでゆっくりと診ていただいている。

ブラッシング講座も15年前と同じように受けています。

こんなゆとりを持って歯医者に通えることはなにかとてもうれしいのであった。







椅子に並んで腰掛ける女の子とお母さん。

お会計を待っている僕。



待合室の絶妙な空調。



お母さんが絵本を読む声。



秒針のない壁掛け時計。






会計を済ませ、2週間後の同じ日時に予約を入れた。


スリッパを紫外線殺菌のケースに戻し靴置き場の方に目をやった。

赤い小さな運動靴がまさに脱いだままの状態で置かれているのが見えた。


そして

その横の僕の履き古したスニーカーの上には

同じ色の小さな小さなバッグがちょこんと乗っていた。












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Last updated  July 7, 2007 01:14:46 AM
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