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カテゴリ:翻訳業あれこれ
1ヶ月ほど日本に里帰りしていた時のことです。
その日も私はダイニングテーブルで仕事をしていました。日本の自宅もLANなので場所を問わず仕事ができます。ロンドンではデスクトップをメインにしているのですが、夫の同伴で海外に行く時などはセカンドマシーンのラップトップを使っています。 しばらくして、母の妹から電話がかかってきました。母の声が聞こえます。 「うん、ツマコ、帰って来てるの。毎日、仕事してるわよ。」 ここまではいいでしょう。次に耳を疑うようなセリフが聞こえてきました。 「楽そうよー。なんか、パソコンの前に座ってパチパチやって。それだけ。あれで、1日数万円にもなるなんて、楽な仕事見つけていいわね。みんな、もっと大変なのにね」 おいおい、「楽な仕事」って。傍から見るとそう見えるのでしょうか? 確かに私は医薬翻訳が好きで、本当に楽しんでやっているので、苦しそうな顔をしてうなりながら仕事はしていませんが、楽だと思ったことは一度もありません。 日本の女性週刊誌を読む速さで英語の医学論文が読めるようになるまで、2年ほどかかったと思います。特に、マスターコースが始まった当初は論文がなかなか読めなかったので、土日も休まず文字通り毎日論文を読み続けました。その時はかなり辛い時期でした。 「自宅で空いた時間に翻訳」というお気楽なイメージがあるので、志望者が後を絶たず、翻訳教育会社が儲かるという仕組みができあがったのでしょうか。在宅翻訳者を紹介するメディアを見ても、たいていきれいな部屋で優雅にパソコンを打つ姿しか写ってないですよね。 私の友人や知人も面と向かっては言わないだけで、「楽して稼いでるよね」と思っているのかと考えると、「なんだかなぁ」という気持ちになりました。翻訳は楽しい仕事ではあるのですが、楽な仕事ではないんですけどね。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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