エイリアン3
「この子・・・死体の解剖が必要よ。原因を調べなくては」「言っただろ? この子は溺死だ」「疑わしいわ。開いて中を見ないと・・・」「そんな必要ない」「疑う理由があるの」「それなら教えてくれ」「・・・細菌の感染があるかも・・・」シリーズ3作目ともなると、すでにエイリアンという凶悪な宇宙生物に対しても、ある程度の免疫(?)が出来たような気がする。なので、ストーリー展開も「うん、やっぱりこうなったか」といった、予測可能な構成になっていた。とはいえ、この作品では重要な役割を担うクレメンス医師が、まさかまさかの結果に。 惑星そのものが刑務所の役割を果たす囚人だらけの流刑地にあって、リプリーと同じインテリのクレメンスは、きっと最後まで重要なポジションにいるに違いないと思い込んでいたのだが・・・残念。さらに気になったのは、エイリアンの軍事利用をもくろむ企業として“ウェイランド湯谷”という日系企業であることが前面に押し出されていることだ。もちろん、この企業名は前作にも出て来たが、今回の3作目ほど強調されてはいなかった。この演出はいかがなものかと思う。宇宙船や基地の施工主が日系企業と言うなら大いに納得するところだが、軍事利用のため生物兵器の開発を推し進めるのが日系企業だなんて。もうこの辺りからして3作目の評価は個人的にも低い。リプリー、ニュート、ヒックスを乗せた非常救命艇は、惑星フィオリーナ161に不時着した。その惑星は、染色体異常の凶悪犯罪者の収容される刑務所になっていた。睡眠カプセルの中で眠っているうちに、何らかのトラブルに巻き込まれ、ニュートもヒックスも死亡し、生き残ったのはリプリー一人だけだった。医師のクレメンスに手当てを受けたリプリーは、快復間もなくクレメンスにニュートの死体解剖を懇願する。リプリーは「コレラの危険性がある」とウソをつくのだが、実は、エイリアンの寄生を疑うのだった。この『エイリアン3』を手掛けたのは、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのあるデヴィッド・フィンチャー監督だ。代表作に『セブン』『ソーシャル・ネットワーク』などがある。そんなフィンチャー監督も、『エイリアン3』を手掛けた時はまだ駆け出しで、多くの映画評論家たちから酷評され、興行的にも伸び悩んだようだ。ところがその後の活躍により名声を手に入れたフィンチャー監督の評価は上がり、『エイリアン3』の評価も好転した。(2005年に『エイリアン3』の未公開シーンを追加した完全版が公開されたことによる。※ウィキペディア参照)『エイリアン3』の完全版は未見だが、いずれにしてもこのシリーズは1作目と2作目が良すぎたため、3作目はキビしい世間の評価にさらされることになったのは仕方がない。可もなく不可もなくと言った作品だ。1992年公開 【監督】デヴィッド・フィンチャー 【出演】シガニー・ウィーバー ★シリーズ1作目「エイリアン」はコチラから。★シリーズ2作目「エイリアン2」はコチラから。★シリーズ4作目「エイリアン4」はコチラから。また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)