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テーマ:DVD映画鑑賞(13634)
カテゴリ:映画/戦争・史実
「だが昔には戻れん。何事も永続しないという苦い真実を知った。」 「と言うと?」 「悲惨と破壊に終わりはない。頭を切り落としても、また生える蛇だ。殺す事はできない。敵は我々自身の中にあるのだ。」 「今」の映画と「昔」の映画の違いは一体なんだろう? 表現技術の高い「今」は、なるほどリアリティがあってスリリングでしかも迫力がある。 では「昔」はどうか? チャチでヤワでウソっぽいのか? 否、決してそんなことはない。 優れた作品ならば、「今」も「昔」も変わりなく、画面の細部にまでメッセージが刻み込まれているのだ。 「今」の映画をいろんな要素を踏まえて“派手”というカテゴリに入れたなら、「昔」の映画はやはり“地味”と言えるかもしれない。 もちろん、扱っているテーマや撮影されている環境、あるいは役者の人気度によってもそんな簡単に2種類のカテゴリに分けるのは問題ありだ。 だが、映像製作の革新によって、現実と虚構の区別すらつきにくいほどに表現技術の向上した「今」を、決して「昔」の映画は乗り越えられない。 「眼下の敵」に派手なアクションやスピード感はない。 では何がこれほどまでに緊迫感や連帯感、共鳴といったものを覚えるのだろうか。 この作品は第二次世界大戦中の南大西洋が舞台となっている。 アメリカ駆逐艦ヘインズ号と、ドイツ海軍の潜水艦であるUボートとの激しい攻防戦を描いている。 両軍、二人の艦長は共に戦争で妻や子供を失うという辛い体験をしていて、どちらかというと戦争には懐疑的な態度を示す。 その両雄の魚雷攻撃をめぐる駆引きの鮮やかさ、知恵のしぼり合い、見事な作戦の遂行と言ったらほぼ互角。 そこに敵も味方もありはしない。 そしてさらに、敵同士ながら互いに対する敬意の表し方は、シーマンシップに則っており、感動すら覚える。 「眼下の敵」は言わずと知れた反戦映画である。 我々はこの作品から随所に盛り込まれている哀しい歴史的事実を、学び取らねばならないのだ。 1957年公開 【監督】ディック・パウエル 【出演】ロバート・ミッチャム、クルト・ユルゲンス また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。 See you next time !(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.01.27 14:39:10
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