|
テーマ:DVD映画鑑賞(13974)
カテゴリ:映画/ヒューマン
「怠けてないわ。パパの世話をしてる」 「大学をやめ、昼まで寝て、食事はインスタント、皿も洗わず、ベッドから出ない」 「楽しいわ」 「時間は有効に使え! 貴重な証明ができるんだ。ベッドでぐうたら過ごすな!」 久々に身体中を電流が走り抜けるような作品にめぐりあえた。 知らず知らずのうちに映画の流れに身を任せ、没入し、我を忘れた。 「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」は、一体だれがメガホンを取ったのだ!? 調べてみてなるほどと思った。 吟遊映人の尊敬する監督で三本の指に入る、ジョン・マッデン監督であった! この監督の代表作には、「恋におちたシェイクスピア」や「コレリ大尉のマンドリン」などがあり、どれも秀作だ。 ジョン・マッデン監督の特徴でもある、人物像のクローズアップ。 これが実に見事に表現されている。 例えば「恋におちたシェイクスピア」では、ペンを執ったシェイクスピアが狂ったように台本を書き上げるシーン。 それはもうわき目も振らず、寝食忘れて没頭する若きシェイクスピアの、情熱的なインスピレーションを生き生きと表現していた。 「恋におちたシェイクスピア」は、言わずと知れたアカデミー賞作品賞を受賞している。 本作「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」でも、数学の研究に没頭した博士と、その才能と性格を受け継いだ娘の異常なまでの数式に対する執着心を描いている。 キャサリンの父親ロバートは、天才数学者であったが、後に精神を病んでしまう。 シカゴ大学で数学を専攻していたキャサリンは、父の介護のために学業を中断。 父親が亡くなるまでの5年間を共に過ごす。 葬儀にはN.Y.から姉のクレアも一時帰宅。 父の面倒を妹に押し付けた形になったクレアとしては、その罪悪感もあり、情緒不安定に陥る妹のキャサリンの動向が心配でたまらない。 そんな中、ロバートが残した膨大な量のメモ書きを調べたいと、シカゴ大学の父の教え子であるハルがキャサリン宅を訪れる。 キャサリン役を演じたのは、ジョン・マッデン作品には常連のグウィネス・パルトロー。 この気高い性格の女優さんは、“ヨーロピアン・コンプレックス”のせいか、英国人監督であるジョン・マッデン監督の虜なのだ。 また、名優アンソニー・ホプキンスも、いぶし銀の枯れた味わいを出している。 その貫禄と圧倒的な存在感で、作品を重厚なものへと導いてくれた。 久しぶりの素晴らしい映画との出会いに、思わず至福のひと時を感謝せずにはいられなかった。 2005年(米)、2006年(日)公開 【監督】ジョン・マッデン 【出演】グウィネス・パルトロー、アンソニー・ホプキンス また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。 See you next time !(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.04.15 08:18:15
コメント(0) | コメントを書く
[映画/ヒューマン] カテゴリの最新記事
|