吟遊映人 【創作室 Y】

2013/05/26(日)06:22

マッドマックス

映画/バイオレンス(9)

【マッドマックス】 「おい、何事だ?」 「釈放だ」 「釈放だと? なぜなんだ?」 「被害者も誰も現れないんだ」 「何が誰も現れないだと?!」 「だから誰も来ないんだ! 被害に遭った女も、町の連中も、誰も来ないんだ! 一人もな! お手上げなんだよ」 「ふざけるな! それが何だ?!」 「裁判はない。不起訴だ」 この作品は、無名のメル・ギブソンをスターに押し上げた出世作でもあるので、あまり酷なことは言えないけれど、低予算で製作されたせいか、全体的にB級的なムードが漂っている。だがカー・アクションはずば抜けている。臨場感があって、スリル感はたっぷりと味わえる。(女性にはいかがなものかと思う内容だが) オーストラリア映画であるこの作品は、日本でブレイクしたらしい。(ウィキペディア参照) 何が日本人にウケたのかは分からない。私だってれっきとした日本国籍を有する者だが、あまり胸に響くものはなかった。 だから『マッドマックス』がその後シリーズ化されたことに、驚かずにはいられない。 友人に訊いたところによると、「カワサキ」やら「ホンダ」などのバイクが登場していてカッコイイと言うので、きっとそういう乗り物好きのやんちゃな大人が興奮するアクション映画なのかもしれない。 主人公マックス役に扮したメル・ギブソンが、実に若々しい。シワ一つないし、真っ直ぐ見つめる瞳が正義感に燃える警官役としてピッタリだ。 今や敬虔なカトリック信徒としては有名な話だが、この映画のストーリーだって悪の中枢でもある暴走族を壊滅状態にしてくれるのだから、胸のすくような気持ちになる。 ストーリーはこうだ。 ちまたでは、暴走族による凶悪事件が横行していた。 ある日、凶悪なナイトライダーが女を助手席に乗せ、いいところを見せようとスピードを出してパトカーの追跡を逃れていた。 また、ナイトライダーは追跡して来るパトカーを次々と転倒させ、警官を殺した。 無線で応援要請を受けたのはマックス。 暴走族を追跡するのを専門とする警官マックスは、黒皮の上下服に身を包み、肩にはマグナム44、足にはショットガンを装備。ナイトライダーの運転する車にピタリと張り付き、隙を見せないでいた。 いよいよ追い詰められたと知ったナイトライダーは、運転操作を誤り死亡する。 ところがこのことをきっかけに、ナイトライダーの暴走族仲間の怒りを買い、マックスと同僚のジムは命を狙われる身となってしまったのだ。 ベタだなとは思うが、マックスの愛する妻と子どもが暴走族の手にかかった時、復讐を誓う正義の男に変わっていく展開が良かった。 怒りの沸点に達したマックスが、我を失い、たった一人でも立ち向かっていく姿は、カッコイイを通り越して狂気の沙汰だ。 腕を撃たれたりして重傷を負いながらも、執念で暴走族を追い詰めていくのだからスゴイ。 メル・ギブソンの初々しい演技と、何やら本物の暴走族を集めたとかいうエキストラと、様々な名車に注目だ。 1979年公開  【監督】ジョージ・ミラー 【出演】メル・ギブソン

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る