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カテゴリ:名文に酔う
昭和十五年は山頭火の最晩年の年になる。 その年の三月は気候が行きつ戻りつしたようで、四国でも遅い雪があった。ルンペン然の山頭火にとって、天候不順は即食い扶持につながるのだ。 そして輪をかけるように持病(痔病!)が悪化し、難儀極まりない山頭火なのである。 しかし、己に鞭打ち山頭火はこう記す。 「毎日の行事、松山散歩、は雲つて寒いので、今日は止めにした。 外出する元気、散歩する余裕がないからである。 衰へたるかな、山頭火、しつかりしなさい!」 日記は「まことにつつましい一日であつた。」としめているから、門外不出で俳句の推敲をしたのかもしれない。 句集「草木塔」は五月に発刊されている。 おちついて死ぬさうな 草萌ゆる 山頭火、黄泉への旅立ちまであと半年である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.03.03 05:43:49
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