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カテゴリ:名句と遊ぶ
あぢさゐや すだれのすそを ぬらす雨 久保田万太郎 なんともオツな一句である。こういう句を詠ませたら万太郎センセイの面目躍如だ。やくざな生き方も無駄ではない。演歌に歌う「芸のためなら女房も泣かす」といったところか。 とはいえ幅が広いのも万太郎センセイの特徴なのだ。こんな紫陽花も詠んでおられる。 あぢさゐや なぜか悲しき この命 縁側に寝ころびながら紫陽花を眺める万太郎センセイを想像するに難くはない。チビチビ飲みながら詠んだことであろう。 センセイの紫陽花句は他にもあり。 ●あぢさゐの いろ濃きうすき 宿世かな ●あぢさゐの 藍のやうやく 濃かりけり ●あぢさゐの 咲きのこりたる 木の間かな ひとしきり句を受け止め、思い立ったように出かける万太郎センセイである。もちろん行く先は「傾城」であろう。 『紫陽花、其ノ壱』はコチラから 『紫陽花、其ノ弐』はコチラから 追記:『紫陽花、其ノ壱』では子規の俳句で紫陽花の妖艶なるを見た。後日、その句に「傾城賛」と前書きがあることを知った。「傾城」とは是、花の吉原である。紫陽花も妖艶になるというわけだ。おおいに合点。 それにしても正岡子規という御仁はアチラの方でも大活躍である。曰く「英雄色を好む」なり。英雄子規の傾城武勇伝についてはコチラをご覧くだされたし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.07.06 05:59:13
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