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2024.03.02
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【 村上春樹 / ノルウェイの森 】


ハルキストたちを差し置いて、私のような五十代のオバちゃんが今さら『ノルウェイの森』について語るのも、おこがましい話である。
なので今回は本当にざっくりとだけ、感想めいたものを語ることにする。

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私がこの小説と出合ったのは、すでに30年以上も前のことだ。
あれから何度となく読み返しているけれど、ポイントとなるのは、主人公のワタナベとか、その周辺の人物たちは、ある一定の経済力のある家庭を背景にした、中流ないし上流に所属する部類であるということ。
そんなこと特に関係ないと思われるかもしれないが、この経済的バックボーンを知らないと、そのオシャレな会話の意味するところも流れる音楽の雰囲気も、まるでつまらないものになってしまうからだ。

度々、成り行きのように交接するシーンが出て来るが、それだって、貧乏人が他にやることがなくて、街で引っ掛けた年増の女を貪るような低俗な行為とは違う。
やることは同じでも、そこにある種のドラマ(?)があるのだから驚く。
でも決して愛情ゆえの繋がりではない。

村上作品の中に出て来る交接のどれもに当てはまるが、ものすごく孤独めいていて、共鳴を深めたいとする男女の儀式的なものなのだ。
快楽を求めるだけではない代わりに、愛とか恋とか、そういう幻想なども含まれない。
経済的に不自由はなくても、満たされない精神の均衡を交接によって、かろうじて保っているという危うさ。
種の継続のための生殖行為ではない交接の在り方を示すような、そういうシーンに完成されているのだ。

『ノルウェイの森』を官能小説といっしょにするな! 
と、怒られてしまいそうだが、あえて言わせて欲しい。
村上作品の交接の在り方は、思うに、〝儀式〟なのである。
ここまで言っておきながらも私は村上ファンなので、たいていの作品は読了済みである。
短編集『女のいない男たち』は秀逸。オススメだ。

~ご案内~



●本
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『ノルウェイの森』村上春樹・著



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最終更新日  2024.03.02 06:00:14
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