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今日は大晦日です、いよいよ今年最後の映画批評となります。
今年の6月に開設したこのホームページも今日で満7ヶ月になりますが、楽しんでいただけたでしょうか? まだ始めたばかりの頃はホームページの事を何も知らずに四苦八苦していましたが、それでも頑張って毎日更新していたのが懐(なつ)かしく思えます。まあ今では忙しくて更新をほとんど疎(おろそ)かにしてしまっていますが、来年も映画批評は続けていきますので、これからもよろしくお願いします。 さて、そろそろ本題に入りますが、今年最後にセレクトした映画は「アルジャーノンに花束を」です。 この映画はだいぶ古い映画なのですが、最近になってDVD化されましたので、敢(あ)えて選んでみることにしました。 まずはストーリーです。 大人の身体でありながら精神はまったく子供というチャーリー(クリフ・ロバートソン)は、パン屋の雑用で生計を立て、せまい下宿部屋に住んでいました。そのチャーリーにとって一番の楽しみは、公園で子供たちと遊んだり、観光バスに乗ることだったのです。そんなチャーリーがある日、夜学の先生であるアリス(クレア・ブルーム)の温かい励ましと進言により、脳の手術を受けることになります。そして手術は無事に成功し、チャーリーの知能はもの凄い速さで成長したのです。やがて天才的な頭脳の持ち主となったチャーリーは、いままで献身的に尽くしてくれたアリスに対して恋心を抱くようになるのですが………、と言った感じです。 この映画はダニエル・キイス原作の同名小説を映画化したもので、日本でも2年前にフジテレビがユースケ・サンタマリアを主演に連続ドラマ化して話題になったので、知名度はかなり高いのではないでしょうか。 まあもっとも、この映画が日本で公開された当時のタイトルはなぜか「まごころを君に」だったそうなので、映画の存在を知らない人はたくさんいるかもしれませんけどね。 映画の内容はと言うと、ストーリー構成がまとまっているので一切の無駄が無く、そして誰にでも分かり易い展開なので、感情移入はしやすいはずです。 この映画の最大の特徴は、この映画のことを一概(いちがい)に「切ない物語」と言い切れないところにあります。 なぜならこの映画の主人公であるチャーリーは、知能が低い時も知能が高くなってからも、どちらの状態の時でも本人が「幸せ」であると感じているからです。 知能が低い時には公園で子供たちと遊ぶことに幸せを感じ、知能が高い時にはアリスとの愛に幸せを感じているのです。もちろん知能が高い時のチャーリーから見れば、知能が低い時の自分は「不幸」そのものにしか映らないのでしょうが、その時本人が幸せだと感じていたことはやはり事実なのです。 知能がまた低い時の自分に戻るかもしれないと知り、苦悩するチャーリーの姿は見ていてとても切なく感じるのですが、この映画を最後まで見て、チャーリーのことを「不幸」と感じるか「幸せ」と感じるかは、見た人の捉え方次第という事です。 ラストシーンは何となく尻切れトンボのように思えてしまうかもしれませんが、見た人それぞれに問題を提起(ていき)しているからこそ、あのような終わり方をするのかもしれませんね。 まあいずれにしろ感動できる映画ですので、一度はご覧になる事をお勧めします。 今年最後の映画批評を読んでもらってありがとうございます。このシネマ雑報を訪れた皆さんにとって、来年が良い年である事を祈ります。それではまた、来年の映画批評でお会いしましょう。 監督 ラルフ・ネルソン 制作年 1968年 制作国 アメリカ 上映時間 104分 ジャンル SF/ドラマ 出演 クリフ・ロバートソン/クレア・ブルーム/リリア・スカラ/レオン・ジャニー/ルース・ホワイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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