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カテゴリ:登山・ハイキング・さんぽ
さいたま市近郊で鎖場のある中級以上の山を探していたら、
神奈川は東丹沢の三峰山が目に留まった。 山岳地図には、階段、鎖が豊富との記載ではないか。 2/20は快晴の予報なので、さぞかし尾根歩きは気持ち良さそう。 行程の7割くらいが尾根歩きなのだ。 そしてこの一帯は、ヤマビルの巣窟らしい。 となると空気が澄んでて落葉の冬が、一番良いだろう。 早速登山計画を作成してみた。 拙は登山地図記載のコースタイムのほぼ6・7割で回ってしまうので、 三峰山下山後更に鐘ヶ嶽を追加。 ゆっくり見積もって、14:30頃には七沢温泉入り口のバス停に着きそうだ。 当日は本厚木発宮ケ瀬行きの始発バス 7:40に間に合うよう自宅を出る。 小田急の新宿駅では、『宮ケ瀬ダムハイキングパス』を購入。 丹沢・大山フリーパスにしたかったのだが、期間外なのか宮ケ瀬のを。 宮ケ瀬行きのバスは、3割ほどが登山者。 途中、煤ヶ谷で下車した登山者がおり、彼も三峰山を目指すのだろうな。 拙は計画書通り、土山峠から尾根の先端から登るきついコースに挑む。 8:25に峠着だから、45分もバスに揺られていたんだな。 ここでは、登山者が拙の他にもう一人。 登山口はやや荒れ気味で、とりつくのが少しばかり難儀。 それからはやや急な登山道が続く。 進路を南に変える付近から、緩やかな尾根歩きに。 所々に視界が開け、幅の広い登山道とあって、歩いていて気分が良い。 後方には、樹林の合間から宮ケ瀬ダムと高尾山方面が確認できる。 第一チェックポイントの辺室山(へんむろやま)には、8:59に到着。 標高は644mだ。 大きなベンチがあり、ここで今日初めての休憩を摂ろう。 南東には相模湾と江の島が、樹々の合間から何とか見える。 春から初秋は樹木に視界が遮られ、眺望は今一つだろう。 10分ほど休んで、次の物見峠を目指す。 峠へと下る、ちょっとしたヤセ尾根。 木が尾根にへばりついているようだ。 9:41に第二チェックポイントの物見峠に到着。 煤ヶ谷へ向かうトラバースがあるのだが、だいぶ荒れてて危険だ。 登山道の踏み跡が薄く、道幅も15cmくらい。 斜面も急だから、煤ヶ谷から来るにはこのトラバースは使わない方が良い。 尾根伝いの登山道があるから、そちらが無難。 この峠でも休憩したいのだが、日陰で風も強く寒い! 早々と切り上げて再出発だ。 途中、木製階段のやや急登をこなすと、視界が開けた場所に到達。 右には相模湾と江の島が辛うじて見え、中央は新横浜方面かな? ここで暫し、温かい麦茶を飲んで休憩。 5分ほど景色を眺めたところで、再出発しよう。 僅かに進んだところで、煤ヶ谷ルートとの尾根出会いに到達。 もう少し進んだところで、仰々しい警告の札が現れた。 無理をしないで引き返す勇気、安達太良山登頂を目前にした、猛吹雪以来だ。 登山慣れしても無理は禁物である(拙程が言うでもないが)。 後ろに気配を感じて振り返ると、煤ヶ谷バス停で下車した登山者が。 彼はやはり、三峰山を目指しているのだろう。 軽く会釈して、拙は三峰山を目指す。 この尾根歩きも気分良く、西には丹沢山、蛭ヶ岳が姿を現す。 今のところ、登山道はそれほど険しくはない。 と思っていたのもつかの間、両サイドスパッと切れ落ちたヤセ尾根だ。 右側なんぞ、下を見たら100m以上はある。 滑落したらまず命はないな! その尾根の少し先、大きな松の木が尾根中央に陣取っている。 しかも大きな枝が折れて、尾根道を塞いでいるではないか!! 引き返す勇気に当たらないとして、折れた枝がまだ幹にしっかり 繋がっているのを確認し、枝を掴みつつ尾根筋を踏破。 足場はかなり悪いので、十分気を付けて通った。 その直後をパチリ☆ 木の根に足を取られてコケたら、大変な場面だ。 暫くも足場の悪い尾根歩き、ヤセ尾根が続くも前方に急峰が。 地図とコンパスで位置を確認すると、三峰山ではなくその前峰だろう。 まだまだ難所は続きそうだ。 次第に登山道は更に足場が悪くなり、ロープの出現。 写真では分かりづらいが、結構な急斜面なのだ。 今度はロープの代わりに鎖のある急降下。 まさかこの箇所が鎖場じゃないよな?? 鎖場といったら、乾徳山か鹿沼市の岩山の猿岩のイメージがあるのだが。 念には念を入れて、鎖を補助に下降。 登山の怪我の多くは、下山や下降中に集中しているからね。 次は梯子の出現だ。 物見峠直後の梯子とは別次元のスキルを要する。 傾斜が急なので、鎖やロープを活用して安全を確保しよう。 更に梯子の険しさが増し、左側は絶壁! 鎖を補助に慎重に進む。 梯子の木がバキッと折れたら!なんて悪夢は想像しないでおこう。 ハラハラドキドキの梯子をクリアして、漸く目標の三峰山に到達である。 標高は934mだ。 ただ今の時刻は、10:46で思いの外時間を要した。 ひっそりと佇む山頂で、もう少し視界が開けていると予想していたのだが、 冬の落葉のおかげで樹々の合間から周辺の山々が展望できる。 再び蛭ヶ岳をパチリ☆ 11時よりもだいぶ前ではあるが、貸し切りの山頂でお昼を頂こう。 樹々に囲まれているせいか風は感じられず、快適に助六のセットを満喫。 ついでにお饅頭5個も頂いてしまおう。 お饅頭ってエネルギー補給に向いてるけど、ずっしりと重いんだよね。 ここで全部頂いて、身軽になろう。 三峰山頂で30分は休憩したが、拙よりも後発の2人はまだ来ない。 休憩しすぎて体を冷やすといけないから、そろそろ出発しよう。 次の目標は、2kmほどのバリエーションルートだ。 山岳地図には道迷いが生じやすいとして、2か所注意喚起がある。 山頂直下も悪路は続き、鞍部に出たところで鎖場。 傾斜は70度くらいだと思うし、それだけなら大したことないのだが、 右側はかなりの崖で危険を伴う。 鎖は補助に、慎重に三点支持で高度を上げる。 ここをクリアしても悪路は続き、神経をすり減らされる。 この山、初心者は登らない方が良いぞ。 緩やかな尾根歩きに変わったところで、やたらと登山道はこっちの標識が出現。 勢いに任せてその方向に進んだのだが、20mほどで違和感を感じた。 イメージしていた地図上の風景と、実際の風景が合わないのだ。 今現在、トラバースする形で南東に高度を下げる。 ところが、バリエーションルートは尾根歩きなのだ。 ここで現在地が分かる地点まで引き返し、 バリエーションルートへの分岐点を見つけないといけない。 バリエーションルートへは直ぐに分かり、そちらへ。 さすがに踏み跡が薄く、かすかに登山靴の跡が見られる程度。 落葉に覆われていたら、地図とコンパスで慎重に進まないといけない。 不動尻を目指す、正規の尾根をたどる登山道まで、ピークを4つほど踏む。 もしかしてピーク5つかも、1/50000の地図では判別困難。 ピーク2つ目だったかな、かなり広い尾根に出た。 踏み跡は判別しにくく、倒木もあり進むべき方向に迷う。 左の尾根を一旦目指すも、明らかに登山道ではないと広い尾根に引き返す。 ここで地図とコンパス、周りの風景から現在地を確認する。 北方を確認すると、真東へ延びる長い尾根が、 目測で300m弱かなといった感じで確認できる。 南には、不動尻へ続くであろう尾根が1km弱に。 最後のピークは、まだまだ先のようだ。 そうすると南南西へ1kmほど進まないといけなのだが、 その方向に進んでもここが登山道かという斜面。 ふと西に目をやると、20mほど先にトラロープがあり、登山道と認識。 そこを降りたところが、↓ 更に進むと、やたら広いピークが目前に出現した。 恐らくここが、西の尾根に迷いやすい場所だろう。 地図とコンパスで尾根筋を予め確認し、ピークを踏んだところで 西にしっかりとトラロープが! 何だよ、こっちは予め道迷いの生じやすい西への尾根と南の尾根の 分岐と確認しておいたのに、何たる仕打ちだ!! 登山道を街中の公園みたいに、ロープ張らないでほしいな。 こっちはコンパスと地図でルート確認しているのに、 こんなん出されていては興ざめである。 そうは言っても、このルートは道迷いが生じやすいのかも。 ガスっていたら、尚更道迷いしてしまうかもな。 気を取り直して、あと数百m南に進んで正規の登山道との出会い、 予想通りに到達。 ここから単調な尾根筋の下山だが、気を緩めないで進もう。 途中に作業用林道へ入るなの印。 この先、登山道ではないという印なのだが、倒木が置かれている場面もある。 さらに高度を下げると、不動尻に到達だ。 ミツマタが群生しており、開花寸前。 蕾をパチリ☆ 天井照明の傘みたいだ(*^^*) 更に進むと、チェックポイントの『山神トンネル』が出現。 このトンネル、照明は無く真っ暗。 真っすぐだから前方に微かな出口の光が見えるものの、 真っ暗同然なのでライトが無いと心細いだろう。 拙はライトの光度maxにしてテクテク。 風の通り道なのか、背後から落ち葉が路面を伝う音がトンネル内に響く。 それがあたかも、誰かが背後から近付いているようで、気になって仕方がない。 振り向くな、振り向いたら後ろには・・。 なんてよからぬ妄想を膨らませつつ、我慢の限界がきて後ろを見てしまった。 結果は想像を裏切り、落ち葉が転げてきていた。 今回の登山で、このトンネルが一番怖かったな。 トンネルを抜けると、そこは鐘ヶ嶽登山口だった。 そこからの登りも思いの外きつく、三峰山で消耗した体には堪える。 ロープや鎖が張ってあるのだから、それなりだろう。 北東へ延びる尾根にとりついたら、あとは気持ちの良い登山道。 30分ほどで鐘ヶ嶽のピークに。 山頂にひっそりと佇む雰囲気が、信仰の山としての神々しさを感じられる。 羊羹と温かい麦茶を頂いて休憩し、下山するとしよう。 途中、視界の晴れた場所に何か所か出くわし、パチリ☆ アスファルトの舗装道に出くわし、そろそろ登山の終わりを告げる。 七沢温泉入り口のバス停から伊勢原駅へ向かい、無事に帰宅。 今日の登山、鎖場を期待していたもののヤセ尾根の連続で時間を要した。 また、雨風による尾根の浸食も進んでおり、いつまで登山道が持つか。 登山道存続の危機を感じた今回であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 4, 2023 03:08:45 PM
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