「君の許には誰が来た?」 ~劇中のセリフから
【中古】 パッセンジャーズ(Blu-ray Disc)/アン・ハサウェイ,パトリック・ウィルソン,デヴィッド・モース,ロドリゴ・ガルシア(監督)元日に能登半島地震、2日には羽田空港で飛行機事故と、令和6年は大変な年明けとなった。今年は世界政治が大きく揺れる年と目され、その影響は当然日本にも及ぶ。この大きな災害と事故は先行きの不安を思わせる。羽田での事故では海保機乗員5名が亡くなった。地震での犠牲者とともにご冥福を祈りたい。旅客機乗員は全員無事とのことでなによりだった。このときの乗務員の冷静な行動が世界で称賛されたようだが、報道された映像を見るとなによりも衝突後の旅客機が姿勢を崩さずスムースに止まれたことが大きいだろう。『パッセンジャーズ』(2008、米・加)という映画を思い出し再見した。飛行機墜落事故後の生存者のカウンセリングをめぐるサスペンススリラーだ。興行成績が振るわなかったようだが、とても内容の濃い作品で私は何度も観ているお気に入り映画の一つである。主演のアン・ハサウェイ好きということもあるかな。最後に「ええっ!」と思わせられるネタがあるのでこの作品の妙味が詳しく書けないのだが、興行成績が振るわなかった理由について私が思うところを少し書いておこう。人の死後について、宗教の世界では天国(浄土)行き?⇔地獄行き?、科学的には何もない?哲学的には?-等々あるわけだが...「死後、親族など近しかった人がお迎えに来る」というのは、東洋的な(あるいは仏教的な)宗教感覚によるもので、キリスト教圏の人々には奇異に感じられることだろう。だが私はこの作品の世界観、雰囲気が好きだ。肉体の死後も「自分」が消滅することなく、異世界に存在し続けるということに安堵感を覚える。「人生はもう一つある」との儚い夢かもしれないが...