cocoのロングステーハウス日記

人が死ぬ時、怒りの時期と言うのを必ず通ると
キュプラ博士は彼女の著書の中に書いていた。

それを通り過ぎれば、受け入れの時期になるのだとか。
少し良くなれば、家に連れて帰る予定の義父だけれど、
みんなで会いに行った次の日から、怒りの時期になった。

フラッシュバックが起こる。
時々誰が誰だか、自分が何処にいるのかわからなくなる。
ベットから起き上がろうとする。
フラッシュバックの中、怒りを周りの人間に
ぶちまける。

スピリチャルな世界を信じていない人には、笑われるかもしれないが、
この頃から、どうも先に死んだ人や、天使が見えたりするらしい。
お義父さんも天使が見えたと言っている。

色々な人の話を合わせて考えても、私は本当だと思う。
それが、脳内で起こっている幻想だと言う人もいると思うけれど、
私の祖母の時も、よく”昨日○○が病院に来た”とか言っていた。

皆は、”もう、○○は死んだのよ、覚えてるでしょう？”
と言っていたけど、私だけは、”良かったね～、会いに来てくれて”
なんて言っていたっけ。

祖母はそれからでも、病院で意識が無くなっても
ちょっと動かすと、骨が折れる様な状態になっても
生かされ続けた。

機械に繋がれ、苦しみを与えるのが医療なのかと
思ったりもした。

怒りの時期を通り越したら、家に連れて帰れるのか
その辺の事は、まだよくわからないらしい。
ただ、今の状態では時々暴れるらしいので、家には
連れて帰れないらしい。

１日でも２日でもいいから、家に連れて帰ってあげたいと
ハーフシスターと話しているが、どうなるのかもわからず、
日々の生活を続けている。

たった、４日前には冗談を言っていたのに。
みんなの迷惑にはなりたくないと言いながらも、
家に帰ろうと言うと、心の準備はできているのか？と
私に、聞くことが出来たのに。

頭の中に腫瘍が出来ているらしく、それが脳を
圧迫している可能性がでてきている。

主人はお葬式になるか、仕事の契約が切れる来年まで
アメリカには帰ってくる気はなかった。
今会っても、お義父さんが気がつくかどうかわからないから。
それに、このまま怒りを通り越し、受け入れ態勢に入り
後何年も生きる事ができるかも知れないから。

私が義父の家に住みこむと言った時も
何年続くかを考慮して、家に引き取る事は出来ないのか？と
少し駄々をこねて、お義父さんを説得しようとしたりした。
でも、私はお義父さんの帰りたいのは自分の家なのだからと
説得したばかりだった。

お義父さんは、”お前が１月の末に帰ってくるまでは
何とか生きている”と主人に言っている。

もしも、それが彼が苦しみながら、自分らしさをなくしながら、
生きている理由だとしたら、苦しいに違いない。
そんな事を主人と話し合った。

主人は今日、日本を出てアメリカに
お義父さんに会いに帰ってくる。

明日、対面するのは辛いだろう。

でも、お義父さんが息子に会うことによって、
少しでも元気になれば、この世を離れるまで
住みなれた家に連れて帰れる。
もう待つ必要はないと思えば、
苦しみを手放すことが出来るだろう。

届くのかどうかわからないけれど、お祈りを
しながら、心の中で義父に話しかけておいた。

どうなるかわからないけれど、お義父さんが
望む形になれば良いと私は思う。