キム・ヘスクの怪演ぶり(?)も記憶に新しい
『渇き』(こうもり)。
今回はキム・ヘスクが愛らしい恋物語だった。
ボンスンさんはカラオケ屋と下宿を営んで暮らす主婦。下宿人のひとりは
『息もできない』のヤン・イクチュン監督。
ある日泥酔した下宿人のクサンを介抱したボンスンは彼の子を身ごもり...。
ラテンな愛が伝染するポジティブでハッピー、おおらかなストーリー展開が韓国らしい。ほかの国だったらここまで開き直れないかも...
もっとシリアスになっちゃったりもする(例えばペネロペが愛人役だったら刀傷沙汰になる予感もする)。
韓国の場合
映画に
どこか原始的な愛が描かれ、表面に浮かび上がってくる時がある。
世間体とか常識とか
それが文明、文明社会の姿なのだが...
その枠に忠実すぎるのか、
枠に忠実すぎて(?)偽善的な男性や社会に対して
天真爛漫でまっすぐで
本能のまま原始的な愛に生きる女性性讃歌のようにも感じた。
元始、女性は実に太陽であつた。真正の人であつた。
(平塚らいてう。ちょうど100年前、1911年の言葉)
そして女性性讃歌がめぐり巡って男性的な社会を風刺しているよう。
男性的な社会をかつての両班層と考えれば
『光復節特赦』で感じたような
タルチュム(仮面劇。韓国の伝統芸能のひとつ)の風刺性に通じる部分もある。
このころ観た『大韓民国憲法第1条』も思い出された。
『大韓民国憲法第1条』も
偽善的な男性と対比して
太陽のように
そして重力のない自由な行動力(また
ニーチェを思い出すなぁ)を持つ女性が描かれていて
ボンスンさんを観ながらちょっと思い出していた。
女性の勇気と行動力と愛、
が少しずつ周囲に伝染して、まわりを巻き込んで変えて行く様子が
『大韓民国憲法第1条』に似ている気もした。
ほかの中年カップルがつぎつぎに妊娠していくところは
タルチュムの艶笑ばなしのようなカラッとした色気と風刺性があって
朝鮮時代から続いている大らかな国民性を感じ取れる。
北風と太陽なら、
太陽として女性が革命、改革を起こして
照らす地がじわじわあたたまっている感じ。
でもその根底は可愛らしい恋心だったりもする(キム・ヘスクがこんなにかわいらしいなんて!)
ジェンダーを考えさせながら
伝統的なタルチュムの艶笑の要素も入って
ゆるくゆかいに仕上がっている。
『ビバ!ラブ』(原題:慶祝!わたしたちの愛)を観て。
真!韓国映画祭で観たほかの作品たち。
『空を歩く少年』。
『今、このままがいい』。
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