2010年春ころから
アピチャッポン・ウィーラセタクン/Apichatpong Weerasethakulについて知り
今回は『真昼の不思議な物体/Mysterious Object at Noon』を観賞。
「なんでもいいから話を作って聞かせてよ」
監督はそう言って
魚を行商している人、タイのいろいろな人に
不思議な物体について創作してもらう。
学校に行かれない、足の悪い少年をおしえる家庭教師の女性。
その家族。
話はどんどん継ぎ足され広がっていく。
ただし希釈されない。
うなぎのたれを継ぎ足し継ぎ足し使うような
時間的歴史的垂直的な広がりと
空間的水平的な面積を広めて行くようなプロセス。
そうして地方と都市、郊外と首都の境界がぼやけて
あいまいになっていく。
監督の言葉
「『真昼の不思議な物体』は当初はコンセプチュアルな短編作品として構想したのだが
2年間の紆余曲折を経て長編になった。
とはいえ、この作品の仕上げ役を担ったのは私ではなくタイ各地の村の人々。
この物語と映画は村人たちのものだ。
私はこの映画を手に入る材料だけで、解釈の自由なスタイルで構築した。
非常に限られた予算だったので短所を逆手にとって
物語や時間軸のあちこちを切り貼りするのは大変な作業となったが
結果として自分にとってスタッフと一緒に話を探しながらする旅は最高の経験となった」
を聞いて
なるほど
製作を計画の完成と考えずに
過程と考え、旅と重ねられている。
他者にゆだねて
相手にボールを渡して半分放任主義な(にみえる)
製作スタイルもあるなぁ、とおもしろかった(ドキュメンタリーだからかもしれないけれど)。
その上で
話の種を蒔いて行く
話を創作して行くことで
ノンフィクションであるドキュメンタリーのなかに
村人たちの想像力による作り話、というフィクションが埋め込まれていく。
完成と未完成、創作と非創作。
混沌とした世界観が印象的だった。
そして最後の方で聴こえて来たラジオでは
日本の敗戦を告げ
1945年だったのか、と不思議な気持ちになった。
Narrativeの可能性を生かして
創造の響きが重なり合うのを感じる。
その後『ブンミおじさんの森』を観たが
期待したほどではなく(後日記述)...
こちらのほうがおもしろいかも。
全州国際映画祭にも出品されていたらしい。
東京アジア月間で観賞。
to be continued...!?
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