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テーマ:韓国!(16968)
カテゴリ:映画
2011年10月に
映画『マイウェイ 12,000キロの真実』の概要について記していたので... 今回は感想を。 戦争は戦場のシーンはリアルで ジュンシク(チャン・ドンゴン)と辰雄(オダギリ・ジョー)の道程は時にファンジックなロマンで リアルとロマンが混じり合っていておもしろかった。 マラソンは個人技だけれど... 戦争の間、 1939年のノモンハンから 1941年のジュコーフスキー 1945年のノルマンディまで、 ジュンシクと辰雄は並走しているようだった。 そして最後に... ジュンシクの夢と魂はリレーのように辰雄に手渡される。 マラソンをモチーフにしていながら リレーのようにつながるふたりの心、ふたりの思い そしてバトンのように渡されたジュンシクの夢と生命に涙がこぼれた。 大陸を戦線を西へ西へと移動しながらも どこにいても交響曲のモチーフのように浮かび上がるジュンシクのマラソン練習風景。 ジュンシクの、夢へかける真摯な思いが伝わってくる。 軍服を何度も着替えても ジュンシクが走りこむ姿は変わらなかった。 一方、軍服を着替える毎に 辰雄は脱皮するように生まれ変わるようになっていく。 変わらないジュンシクの思いと 変わっていく辰雄。 戦闘シーンも見ごたえがあった。 近代戦とはいえ 接近戦は肉と肉がぶつかり合い、 国力の差軍事力の差も浮かび上がる。※ まずはノモンハンでの戦い。 ソ連の戦車に ドラム缶1本を車の前部にくくりつけただけの軽いジープで突撃する。 それでも辰雄は逃げたら殺す!と言い日本刀を抜く。 ※軍事力の差、として言いたいのは 戦略と戦力の差のみならず、己も敵も知らなすぎる情報力の差、現実認識力の差。 接近戦のリアルな画からは 工夫をこらした撮影の跡が伺える。 ソ連でドイツ軍と戦うシーンでは 歩兵として突撃するのに与えられるのは防寒用キルティングの戦闘服だけ。 そしてソ連兵には進撃しなければ殺すと脅され 辰雄はノモンハンでの自身の姿がオーヴァーラップする。 12,000kmの移動の間、辰雄は自身の鏡像に触れる。 ソ連から見れば辰雄たち日本軍は戦犯でもある。 そうして自己を相対化する機会にもなっている。 ノルマンディーにはジャマイカからの兵士もいた。 また、米軍(連合国軍)が上陸し攻撃が激しくなってきた時 逃げようとしたジュンシクと辰雄は ドイツ将校によって射撃台のある小部屋に閉じ込められる。 攻撃に集中しろ、戦え、と。 ここでも辰雄は自身の鏡像を見、 戦争のおろかさを知っただろう。 ソ連で、 ノルマンディーで。 辰雄の気づきがモチーフのように繰り返される。 どこに行っても変わらず走りこむジュンシクの姿が 別のモチーフとして繰り返されるのと対比されている。 ただし、 辰雄とジュンシクだけではない。 アントンになってしまったジョンデをはじめ さまざまな国のさまざまな兵士たちの群像劇として観ることもできる。 ジョンデは ジュンシクのような真っ直ぐさも 辰雄のような芯の強さも持っていないから... いちばん私たちに近い等身大の、平凡で弱い人間だから 普遍的。 どこの国にも どの戦争でもいそうな、弱いけれど弱いなりに狡猾で 必死で生き延びようとする人間の姿で... 普遍性がある。 軍事オタクではないけれど... 日本史世界史を勉強したならすぐわかるはず。 B29の特徴的な飛行音も再現されていたシーンも圧巻だった。 ドイツの側から描かれたノルマンディー上陸は B29の飛行音と相まって、 一時(いっとき)の間をおいて水平線に一気に現れる軍艦編隊の圧倒的な姿もあって 若干恐怖感を呼び起こす。 ドラマ「パラダイス牧場」を視たことがある人は... チョン・ホジンとイ・ヨニの父娘コンビが再び観れます。 KARAニコルも可愛かった♪ この映画を反日映画としか観れない人は 思考停止している自身の脳の停滞ぶりを嘆いた方が良いかもしれない。 この映画はただひとつのロマンである。 『パッチギ』で キョンジャが康介に「朝鮮人になれる?」と(いった内容のことを)聞く1960年代の日本は 21世紀になってもたいして進化も進歩もしていない。 そんな現在から観るジュンシクと辰雄の道程と友情は... 壮大なロマンで、眩しすぎるくらいだから。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Jan 15, 2024 05:20:37 PM
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