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テーマ:韓国!(16968)
カテゴリ:映画
チョン・ジェヨン、パク・シフ主演
『殺人の告白/내가 살인범이다(私が殺人犯だ)』 あらすじ 1986年から1990年にかけて起こった連続殺人事件。 15年前捜査を担当していたチェ・ヒョング刑事(チョン・ジェヨン)は 犯人をすんでのところで逃がし捕まえることができなかった罪悪感を抱えたたまま 2005年に事件の公訴時効を迎えた。 そして2年後。 連続殺人事件の犯人は私だというイ・ドゥソク(パク・シフ)が 事件の全貌を描いた著作を発表して現れる。 そのハンサムな容貌と罪を悔いる姿に湧く市民たち、 そして秘かに復讐しようと計画する遺族たち。 ドゥソクは一躍、時の人となったが... チョン・ビョンギル監督作品。 (以下、映画の核心に触れる部分もございます) ポン・ジュノ監督が華城連続殺人事件を描いた『殺人の追憶』と同じ事件を べつの角度で扱っている。 歴史に「もし/If」はないけれど、 もし犯人が自己顕示欲が強い人物だったら... 「私が殺人犯である」と告白して 著作はベストセラーになりセレブ生活を送って見せる。 そんな風に一世を風靡するイケメンに黙ってはいられないはず。 おそらく 事件を捜査してきて犯人の心理・性格を掴んでいた刑事だからこそできる発想、作戦。 (内容は異なるけれど 華城連続殺人事件の捜査を担当した刑事の捜査日誌をまとめた本を ポン・ジュノ監督は読んだと聞いた記憶がある) そこに犯人に復讐したい遺族がからんでストーリーが展開していく。 犯人につかまってほしい 15年という公訴時効(制度)がなければという思い、 おそらくこの事件を知るすべての韓国人が思う犯人がつかまってほしいという切実な思いが詰まって ヒューマン・ドラマの性格も。 母親を殺されたヒョンシク(リュ・ジェスン)が時効の日に絶望して自殺しようとする姿、 娘を殺された母親(キム・ヨンエ)の悲痛な表情を見るだけで 深い深い傷を受けた被害者たちの心の叫びが伝わり涙が零れ続けていた。 殺人犯に似た男を見ると刃物を出してしまい刑務所に何度も入った、 というドヒョク(オ・ヨン)のセリフは おっちょこちょいなドヒョクの性質を余さず伝えておかしみもあるけれど 人生を狂わされた被害者遺族の悲しみが伝わってくる。 サスペンス・アクションと ヒューマン、 そしてコメディの要素も。 1980年代にすでに劇場型犯罪が発生していたとは考えにくいが... (佐川一政の事件は1980年代) 2000年代になって殺人犯が「私が殺人犯だ」と告白し注目を集める劇場型の行動は 現代的。 現代の視点から見た過去の事件という、時間的ギャップも少々。 過去の事件に託して 現代社会の問題をシニカルに示している、と言えるかもしれないが... 殺人犯をヒーローのように嬉々として取り上げるマスコミ、 煽られる市民等 現代的な、とても現代的な社会現象、現代社会が抱える病理のひとつも描かれているよう。 ただ、 端正な演出が好きな向きには サスペンス・アクション、ヒューマンに 社会派の視点も入って コミカルな部分もある全部盛り、盛り沢山さが 不満に結びつくかもしれない... アクションやコミカルさが入ってエンターテインメント度が強くなるから。 カーアクションは『クイック』のように 時に独創的。 ジャッキー・チェンのアクション映画のように突拍子なかったり激しさもあるが 計算しつくされているので 落としどころにはぴったり嵌まって 適度に心臓がドキドキするも安心感があるレベル。 あたらしいバディものとしても見ることが出来るかも。 ホームズとワトソンに始まり... デ・ニーロ主演の『ミッドナイト・ラン』 ウォルター・ヒル監督『48時間』 ドラマは『マイアミ・バイス』等刑事など男性ふたりが協力し合う映画はいろいろあるけれど... 刑事と憎き犯人を演じる弟分、というコンビ、こんな変則的なバディものはめずらしいかも。 ちょっと意表を突く、個性的なアイデア。 想像力豊かで独創的なストーリーは 脚本賞を受賞したというのも頷ける。 2013年 第49回百想芸術大賞 シナリオ賞(チョン・ビョンギル) 真犯人は顔の幅が広いはず、と思って観てはいましたが... 振り返って見れば ドゥソクが「じゃじゃん麺を投げつけろ」と囁くのは 不敵な、というより 兄貴分の刑事に「もっと演技しろ」という意味だったり、 ドゥソクを必死で奪還しようとする真の理由が腑に落ちたり。 犯人像は 『殺人の追憶』では ふつうのおじさん、とラストで示唆されているが 本作では宮部みゆき「模倣犯」の主人公のように現代的な人物造型。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2024 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、写真・画像等も コピー・利用・流用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 22, 2023 03:24:07 PM
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