詩人を夢見るスヨンは
仁川から船に乗って小さな島に降り立ち、
詩を作りながら彷徨していた。
ヒッチハイクをしようとしたところ
一台の車が止まる。
大学の先輩ヒョンギ(ソン・サムドン)が恋人のウンセと乗っていた。
どこか見覚えある女性...
果たして男女三人のドライブ、小旅行は...!?
ショートショート フィルムフェスティバル 2013/SSFF&ASIA 2013
韓国トラベルショート部門で
キム・ウォンモ監督の短編
『かげろう(原題 오징어, 땅콩(=イカと落花生)/Heat Haze』(2012年)。
アシアナ国際短編映画祭2012年出品作。
インチョンから船で行くところを観るかぎり、
舞台はどうやら大伊作島/대이작도/デイジャクドのよう。
近くには小さめの小伊作島/소이작도もある。
2009年にカン・ホドンとイ・スンギの「1泊2日」という番組で紹介されてから
人気が出たらしい、半農半漁のちいさな島。広さは2.57㎢。
もし帰りの船をのがさなければ...
日帰りでも楽しめるし
島内には宿があるので一泊二日の小旅行も楽しめる。
一日のうち
干潮の間2、3時間だけ、
砂の島、韓国語で
풀등(プルドゥン)/草洲が
蜃気楼のように海に浮かんで見えるという。
神秘的な風景が韓国の人に人気。
(以下、映画の核心に触れる部分もございます)
先輩の彼女ウンセは
スヨンが過去に付き合ったことのある女性だった。
ヒョンギがお酒を飲みながら
ウンセの前でスヨンの過去の話をし、
スヨンをさきイカのようだとからかうので
スヨンはとても嫌な気持ちになるが...
翌朝になってスヨンは思う。
昨夜のことは幻だったのだろうか...
別れた後二度と出会うはずもないと思っていた二人が
島でまた結び付けられ、
풀등(プルドゥン)、幻のような一夜の再会が
蜃気楼の島と二重写しになる。
蜃気楼の島だから
夢のようなことが起こってしまったかのように。
映画の最初と最後に詠まれる詩が
現実と幻のあわいをメビウスの輪のように繋ぎ合わせる。
はからずも、
巫堂/ムーダン(占い師)が三人の前で告げていた。
女性は海で男性は地を表し
別れても何度でも再会する不思議な縁がある、と。
海はウンセだが
地は実はヒョンギではなく、
スヨンだったのでは...
ムーダンの言葉を
どこか居心地悪そうに
思い当たるように
そして上の空のように...でもしっかり聞いているスヨンとウンセの複雑な表情を見て
そう思った。
二人はこの後もまたどこかで再会するかもしれない...
未練や愛憎、本人たちの意志を超えて、
島の神秘のように
また引かれ合う不思議な縁(えにし)を描き出す。
男女の縁の機微を
韓国の島の神秘、自然にのせて描き出し余韻を残す。
李箱の文学におけるコキュ/cocue(寝取られ男)も想起。
コキュ/cocueの定義は
浮気されていることを知らない寝取られ男。
鹿島茂の著作によると
フランスはコキュ文化の国で
寝取られ男を描いた文学や演劇などが多く存在するとか。
『僕の妻のすべて』は
その変奏バージョンとして観ることも出来るかも。
(オリジナルはアルゼンチン映画だけれど)
キム・ウォンモ監督は
ジェヒ、ペク・ユンシク主演、シン・ハンソル監督『ケンカの技術』の撮影チームだったそう。
ソン・サムドンは
インディ映画に多く出ていますね^^
ソ・ジュンムン監督の短編『REC』にも。
この島、以前日本のテレビでも紹介されていました!
ぜひ、行ってみたい♡(≧∀≦*)♪
韓国トラベルショートプログラムは2011年に始まって
今年で三年目。
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