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テーマ:韓国!(16972)
カテゴリ:映画
ショートショート フィルムフェスティバル 2013/SSFF&ASIA 2013で
多くの作品は観られませんでしたが... アニバーサリープログラムの 1999年にパク・チャヌクが撮った短編『審判』はおもしろかった! あらすじ 遺体安置所の職員(キ・ジュボン)は 橋の崩落事件(1994年)に続いてソウルで起こったデパート崩壊事件(1995年)の被害者、 身元不明の女性の遺体を担当している。 TVのニュースでは被害者の遺族には高額の見舞金が支払われるという話が。 そこへ遺体は5年前に家出した自分の娘だという被害者の両親が現れるが 安置所の職員も遺体は家出した自分の娘だと主張し始める。 互いに譲らない"親"たちは... ![]() (以下 映画の核心に触れる部分もございます) 遺体は家出した自分の娘だと主張し合う騒乱で 安置所は混沌とする。 そこへ強いパーマに派手な化粧の女性が 私があなたたちの娘よ、と登場する。 被害者の両親を主張する男女は驚き否定するが その娘が癲癇の発作を起こした途端彼女のところへ駆け寄るのだ。 やはり遺体の女性は彼らの娘ではなく、 パーマの女性が彼らの娘だったのだ。 パーマの女性、ほんとうの娘が目の前で発作を起こすのを見て 娘の病気と体を案じ思わず駆け寄ってしまう父と母の真実、親心。 そして突然大きな地震が起こる。 天災が、天が安置所をさらなる混沌に陥れた瞬間 安置所の職員は迷わず遺体の娘に駆け寄り覆いかぶさり抱きついた。 遺体を守るかのように。 安置所の職員はほんとうに被害者の女性の父親なのだろうか? 過去に3回ほど 安置所に運ばれて来た遺体を自分の娘だと主張してきた彼には不審なところもあるかもしれないが 地震に際して すでに死んではいてもわが身を盾に娘を守ろうとする姿には真の親心が表れ 事態の真実を伝えているかのようだった。 そして神もそれを知っていたかのような審判が最後に下される。 それぞれ家出したという娘たちに抱きつく親たち、親心の真実に下された審判は... 直接お確かめください^^ 嘘つきだったのか、 (娘に家出され、娘を亡くして)心身喪失したのかわからないが... 安置所職員の素朴な父の心、そのちいさな姿さえも神が見逃さなかった、 というところにタイトルの「審判」という意味が込められているように思う。 映画のモチーフはソロモン王の裁きや 大岡裁きにあるお話でしょう。 親が分からない子供の母親を探していると その子どもの「母親だ」と名乗る女性が二人現れる。 ソロモンは母親に子どもの両手を引っぱらせて 「勝った方の親が子どもの親である」と言う。 一方の女性は 手を引っぱられて痛がる子どもを見て 思わず手を離してしまう。 子供の手を引っ張り続けて勝った方の女性は 自分が母親、と喜ぶが ソロモンは 「本当の母親であれば 自分の子どもが痛がっているのを平気で見られるわけがない」と告げ、 手を離してしまった方の女性が その子の本当の親であることを見抜く。 突然財産持ちになった子供に 二人の母親が「自分が母親よ!」と名乗りでるとんちの一休さんの逸話も同じ系譜。 親心の真実がよく表れてはいるものの 自己中心な人間たちを天が「審判」するような描写で 宗教を感じさせる結末は 김기덕を思わせて興味深い演出だった。 パク・チャヌク1997年の作品『三人組/3인조』も 逃げ込む先が聖堂(カソリック教会)で 初期の作品にはキリスト教的なものが(比較的、今より)色濃かったのかも... そして、社会派な視線もネパールのように備えている。 遺体安置所の棺で缶ビールを冷やし 取り出して飲むシーン等は やはりチャヌクらしい演出。 韓国では1999年に公開されていたもよう。 その後 2008年にCinema16: World Short Filmsという短編アンソロジーとしてイギリスでリリースされたらしい。 ほかにおもしろかったのは テリー・ギリアムの作品。 こちらは アンデルセンの童話のようにファンタジックで 恐ろしさを秘めている。 ハーモニー・コリンの作品は(アニエスb プレゼンツ、アニエス・ヴァルダではなかった...) 車椅子に乗った『俺たちに明日はない/Bonnie and Clyde)』のような世界観。 アニバーサリープログラムのほかの短編については追記予定です。 パク・チャヌクのハリウッド進出作『イノセント・ガーデン』についても 間もなくアップ予定♪ to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 18, 2024 04:13:16 PM
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