東京藝術大学横浜校馬車道校舎
(東京藝大大学院映像研究科映画専攻のオープンシアター)で
『教授とわたし、そして映画』上映と
ホン・サンス監督特別講義。
おもしろかった。
特に気に入ったのが
セザンヌの絵画のお話、抽象と具象について。
写真撮影は禁止だったので
監督がメガネをずり上げる写真、おでこにメガネを留めている写真(おでこ眼鏡!)を
追加コレクションできなくて残念!
講義から印象的だった部分を記します。
「カイエ・デュ・シネマ」700号記念号の
一番影響を受けたイメージは?というアンケートで
ホン・サンス監督の答えはセザンヌのリンゴの絵。
絵画は作品によって抽象的な部分=Aと具象的な部分=Bの
割合が異なる。
A > BもあればA < Bも。
映画も
抽象的な部分=Aと具象的な部分=Bがぶつかり合う。
(紙に図を書いて説明)
セザンヌの絵(リンゴの絵)の中の
抽象性と具象性が合ったラインが一番自分の感覚に合っている。
…………
(自分は)ひとつだけ線を引いてラインを引っ張って来て正当化することなく
映画を作っている。
いろいろな(ライン、線の)可能性があるから。
ラインを引いて生きるということを避けることはできない。
人間の性としてラインを引くことを避けることは出来ないが
このラインでは不足かもしれない(他のラインの可能性)と考えることから始まる。
(それにより)
ラインを一つ引くことによる抑圧(即ち絶対化)は回避される
(相対化できるかもしれない)。
ズームイン、ズームアウトの二つの役割について
ひとつはここで何を見せるか、ということをカットで決めたくはないので
ズームインして見せる。
カットで見せると俳優の演技が常套的になるから。
もうひとつの役割は
画面にリズムを与えること。それは笑いを与える可能性もある。
リズムが生み出す笑い。
そのリズムは台詞にも俳優にも影響を与える。
ホン・サンス監督が大学院時代に出逢ったという
ブレッソン Robert Bresson監督作品は
原作がロシア文学だったり(『スリ』『やさしい女』『白夜』『ラルジャン』)で
なかなか好きです...
そして『自由が丘で』主演加瀬亮さん飛び入り参加!
ホン・サンス監督への愛情たっぷりなお話が印象的。
先入観や思い込みについて言及する時、
「インプットされていた」ではなく
「インストールされていた」という表現をしていたのが
Geek的に興味深い。Inputの代わりにInstallは初めて...
今回再見した『옥희의 영화 オッキの映画 Oki's Movie』こと
『教授とわたし、そして映画』。
両方知ってしまったら
ふたりの男を知ってしまったら
女はクールに相対化してしまう。と書いていたが
(相対化、でホン・サンス監督講義いろいろなラインの可能性を想起)
オッキの切なさ寂しさ悲しさも沁みるなぁ...
男も可愛く描かれている。
じっさい韓国男子にジングのように
可愛く熱く懇願するようにせまられたことがあるので...
国境を越えた普遍性!?を少々感じたり...
撮影日の朝にシナリオを書くやり方は
4作目から始めているそうだが...
それでも全体の構成やプロットは予め書いていた。
『教授とわたし、そして映画』からはその構成すら事前に書かなくなり
撮影場所と俳優だけを決めて現場に入り
その日に構成を考えシナリオも書くスタイルに。
現場で考えて変更する部分が増えて来たから、だそう。
『教授とわたし、そして映画』は
ちょっとした転換点だったのですね...
to be continued...!?
buzz KOREA
Click...
にほんブログ村 韓国映画
にほんブログ村 映画
にほんブログ村 映画評論・レビュー
にほんブログ村 韓国情報
にほんブログ村 K-POP
にほんブログ村
Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.
本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は
著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。
無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、
表現や
情報、意見、
解釈、考察、解説
ロジックや
発想(アイデア)・
視点(着眼点)、
写真・画像等も
コピー・利用・流用・
盗用することは禁止します。
剽窃厳禁。
悪質なキュレーション Curation 型剽窃、
つまみ食い剽窃もお断り。
複製のみならず、
ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、
リライト、
切り刻んで
翻案等も著作権侵害です。