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今週も先週に引き続いてゲストは逢坂剛さんです。
まずは推理作家協会会長を2001年から4年間務められていたという話、その間、協会の会報にエッセイを無料で書いていたのが本になったそうです。作家仲間の楽屋話ということで、興味のある人には面白いものでしょう。大沢在昌、北方謙三、東野圭吾氏らそうすたるメンバーが帯の宣伝を書いている、と胸を張ります。 さらに著作権を無視した今のようなリサイクル(中古本の)というのは作家という職業を絶滅に追いやるもの、作家はいまや絶滅危惧種(幸田さん)と訴えます。このままではいい作家は育たず、結果的に読者が損をするといいます。その通りかも。 雑文やどうでもいい書き物はネット上に氾濫しても、本当に感動する、価値ある作品は作家の生活がある程度は保障されないと次第に消えていくのかもしれません。 I-Padが一時的な人気を示しているが、本を読む道具としては普及しないだろう、やはり本は紙が一番とも語ります。 逢坂さんは原稿をいまだに日本語ワープロ専用機で書いているそうで、PCより物書きには適していると断言します。 現在は作られていないので、昔の機器を買い溜めて故障時に備えているそうで、死ぬまで書けるくらいの台数は確保したといいます。このワープロで書いた原稿をフロッピーに保存してPCに移し、さらに変換して出版社に届ける、という苦労をされているようで、作家には見えない努力がある、というところも幸田さんと意見一致。 そのあとは僕にも興味深いことでしたが、実際の小説書きの手法について話をされました。 若い頃はかっちりとプロットを固めて書いていたが、今は大枠を決めたり、ラストだけきちんとビジュアル化したものを持った上で、あとはある程度自由にストーリィを遊ばせ、キャラクターを走らせるほうがいい作品になっていく(通の読者の読みをはずす)そうです。幸田さんも「私も同じ、それでいいのですね」と感動。 最後は趣味というか、食べ物の話で盛り上がりました。 作家の皆さんには食べ物にはうるさい方が多いようですが、逢坂さんはいわゆる美食家ではない、といわれます。ただ、終戦の貧しい時代のトラウマなのか、卵とトンカツに執着を持つ、と語ります。僕は逢坂さんより大分若いですが、僕の子供の頃でも卵は貴重でした。でも途中から卵掛けご飯が食べられるなど食卓の優等生、庶民の栄養源になっていったのだと思います。 トンカツは、初めて父親に連れられて食べたトンカツの味が忘れられず、大好物。でも高級な豚を売り物にする店より庶民の食べ物として、普通の豚をおいしく食べさせてくれる普通の店が好き、と語ります。 逢坂さんの描写するトンカツが本当においしそうで、僕も食べたくなり、今夜は女房に頼んでトンカツにしてもらいました。 最後に現在書いている本の話になりますが、逢坂さん得意のスペインを舞台にした第二次世界大戦時のスパイ物、だそうです。興味のある方はどうぞ。 それではサッカーの日本-オランダ戦が始まりましたのでこの辺りで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.19 20:46:01
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