☆教会で、リードオルガンとテノールのコンサート♪☆
大阪の教会に、リードオルガンとテノールのコンサートを聴きに行った。会場となった、博愛社聖贖主教会。この教会も、以前このブログで紹介した六甲山荘と同じく、W.M.ヴォーリズの設計だ。大阪の繁華街、十三(じゅうそう)とはとても思えない、閑静で小奇麗なアプローチ。礼拝堂の天井に二列に並んだ吊り照明と壁照明、窓の配置、薔薇窓の形状がヴォーリズ流だ。素朴で美しいステンドグラス。祭壇の大きなアーチと、天井のデザインも、ヴォーリズの設計の特徴だ。シンプルで機能的な中にも、温もりを感じさせてくれる、彼独特の匂いがある。はじめに、ヴォーリズ建築事務所の前社長で、アメニティ2000の会員の石田忠範さんによるレクチャーがあった。演題「ヴォーリズの伝えた教会堂」テノールの畑 儀文さんと、リードオルガンの安田哲也さんによるコンサート。プログラム前半は、エルガーのオルガン独奏曲「Vesper Voluntaries Op.14(8曲)」の合間に、バッハの歌曲「あなたがそばにいるならば」、アイルランド民謡「ロンドンデリーの歌」、トマス・アーン「デイジーがまだら模様に」、イングランド民謡「グリーンスリーブス」。後半は、日本の歌曲。童謡集「里の秋、朧月夜、紅葉、冬の夜」大中 恩「愛について、歌調曲(オルガンソロ)、七つの風景」、大中寅二「椰子の実に拠る」畑さんは声量、歌唱力ともに圧巻。安田さんのリードオルガン演奏は端正で素晴らしかった。綺麗に修復されたエスティ社(米)の「1882年製リードオルガン」(前半の演奏)。リードオルガンとは、いわゆる「足踏みオルガン」だ。足踏みペダルで空気を送り込んで溜め込んで鳴らすと思いがちだが、実は足踏みで空気を抜いて真空を作りだして、中の金属のリードを鳴らす構造。「吸気ばかりの巨大なハーモニカ」のようなもの。(安田さん談)後半の日本の歌曲には、昔懐かしい、ヤマハのリードオルガンが使用された。☆ 帰り際、振り返ると礼拝堂内の明かりが薔薇窓にともっていた ☆(Nov.18,)