カテゴリ:東洋医学
東洋医学で見た、肝臓は「将軍の官」と呼ばれ、外敵から体を守る一切の思慮、計謀を司ります。よく、「肝っ玉が据わった人」と言われるように、肝の事をさしています。肝に異常が起こると、ぼんやりとしたり、無気力になったり、思惟活動が鈍ります。
肝の性質は剛健で、人間が思考をはたらかせたり、元気よく活動できるのは、肝のおかげです。人間の思惟活動の中心が「肝」です。 また、「肝」は血液を貯蔵し、からだの血流を調整しています。そして「怒る」という感情が過ぎると、思惟活動に異常をきたし、ひどいときには、吐血することもあります。この場合、「肝」を休める必要があります。 そして、こむらがえりや、目の上の筋肉のけいれん、筋肉の病気などは「肝」の症状と考えられています。「肝は筋を生ず」と言う言葉がありますが、まさに、この事をさしており、肝は筋肉の統率者です。 「肝胆患えれば、目に病する」と言う言葉の通り、肝胆に異常が起こると、目にかすみ目、めまい、乾燥、夜盲症などの症状がでます。決定的なのは「黄疸」です。黄疸は肝臓の異常として知られていますが、事前に「肝」からの異常に気がつけば、大事には至りません。 「肝」からの異常のサインとして他には、「爪」があります。陰陽五行表にも、「肝」のところに、「筋・爪」とあり、「肝」が弱り、血液が不足すると、「爪」が柔らかくなったり、薄くなったり、色が白っぽくなります。 ですから、「肝」の異常を知る方法のひとつに「爪」を見ると言う方法があります。押さえてみて、柔らかかったり、簡単に裂けたりする「爪」は肝血が不足しています。 「肝」が弱っている時には、梅干などの「酸味」を摂ること。「酸味」は肝を養います。但し、酸味は筋肉に浸透しやすいので摂り過ぎると、肉が萎縮して、筋がつったり、口唇が変形します。 食生活に於いては、色の「青いもの」が肝を養います。ほうれん草、ブロッコリー、パセリ、ピーマン、小松菜、みつば、きゅうり、などを意識して採ることが大切です。但し、これも「食べすぎ、偏り」には注意が必要です。 「経穴」(つぼ)からのアプローチは、「大衝」が効果的です。タイショウと読みますが、足の指、第1指と第2指の間を上にすり上げ、指が止まるところです。 この「経穴」は、肝の原穴といって、一番の根本となる「経穴」です。軽く、親指の腹の部分でマッサージをするといいです。 「肝」は「思惟の中枢」、すなわち、思考の中心です。最近増えてきている、鬱病や自律神経失調症とも深く関わっています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|