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カテゴリ:小杉光司の考え
独立の時、何が一番苦労したか?
事業計画書の作成、資金調達、店舗さがし、内装工事、スタッフ採用、様々なコトがあるなかで、僕らにとって一番の苦労は「仕入れ」でした ツテも、コネもなにもなかった僕は、どこからどうやって商品を仕入れたらいいのかさっぱり分からなかったのです。 だから、とりあえず雑誌を何冊も買ってきて良いと思うモノを見つけ、メーカーを調べては直接電話しました。 時にはショッピングモールに行って気に入ったものを探し、それに付いてるタグをコッソリ携帯で撮影し、それを元に同じように電話しました。 (お店で買わずに写真だけ撮るのもすごい悪い気がして、店員の目を盗みドキドキしながらやったのを今でもよく覚えている。) ただ、そうやって電話したメーカーのほとんどは相手にしてくれませんでした。なぜならまだその時、僕にはお店がなかったから。 独立希望という肩書きしかなかった僕を信用してくれるメーカーなど、なかなかないのです。 「お店ができてからまた連絡ください」そうたくさんのメーカーに言われました。 お金のない僕らでしたが、仕入れ費用として別枠でとってありました。だから「お金はありますので、ぜひ仕入れさせてください!迷惑はかけません。ぜひお願いします。」と何度お頭を下げても頑として受け入れてもらえなったのです。 その時、「あの人(会社)は普通に買えるのに、僕はお金があっても買えない。」そんな物があるのだと初めて知ったんです。 そう、全ては信用だったんです 中には、取引してくれるもメーカーもあったのですが、初めてということで(後で知ったのだが)原価は通常より上乗せされ、さらにロットで10万単位でなければダメと付け加えられ、僕らにはとてもキツかったのですが、言われるがままその条件を飲むしかありませんでした。 経営は判断の連続だと言われますが、独立したて、いやしばらく立ってからも判断するほどの選択肢なんてほとんどなく、やれる範囲の事を全部やる。与えられた選択肢をとにかくやる。もう本当にそれだけなんです。 (もしあるとすれば止まるか、進むかそれだけに過ぎません。) それでも僕らはなんとか商品を集め、お店をやっとオープンさせましたが、売り場の商品はスカスカ。誰がみても潰れそうでした。商品がようやくお店にちゃんと並ぶようになったのはたぶん一年後だったと思います。 それは「1年続いたお店」という小さいけど確かな信用のおかげでした。 信用は未来への提案や素晴らしいビジョンからは生まれません。過去、なにをしてきたから?続けてきたか?何をのこしたか?そうゆうことで決まるんだと痛感しました。 とかくビジネスでは 確実な「返済」や「支払い」は元より「歴史(継続した年数)」や「規模(売上や店舗数」も大きな信用の証となります。 ゼロから始めた僕らには、そのどれもが手元になかった。だから信用などなくて当たり前です。(歴史あるお店がその頃は羨ましくて仕方なかった) でも、だからこそひとつひとつをとにかく積み上げていくしかないと思いました。そして、11年、文字通り歯をくいしばってでも、そうしてきたつもりです。 もちろん今でもその最中ではあるが、おかげで、昔より圧倒的に選択肢は増えたと思います。 先日、コスコジで働いていた日向野くんのお店がもうすぐオープンするので、プレゼントを持って会いにいきました。 その時に彼から開口一番でた言葉も「自分の信用が無さに本当にびっくりしました。」でした。 「僕がここでお店を始められるのも、自分の親、妻の親。またメーカーに関しては小杉社長の信用があったから取引できる。本当にありがたいです。」と。 会社の中にいると、本当に良く分からないのですが、社会に一人飛び出すと自分の社会からの評価がある意味見えるんですね。 これから彼も色々な経験をしていくでしょうし、僕と同じような道を辿っていくと思います。ただ、今回の経験は決してわすれて欲しくないですし、彼からにじみ出ていた、ある意味の悔しさも、大きな男となって必ず晴らして欲しいと思います。 本当にゼロから1にするのは大変。 ってことで締めたいと思います。 まー楽しいけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.08.08 10:30:33
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