私と猫と編み日記-幸せな女と思われたい-

奇跡的な待ち合わせに成功して
おっさんと泣く泣く新幹線に乗り込んだ。

もうね、私キョロキョロですよ。
隣の席の男がもしかして一緒の車両なんじゃないかと思って。

もちろん、いませんでした。
新幹線、舐めたらあかんね。
あいつ、結構な坪数持ち合わせてるかんね。

私ね、朝食べない派なんですよ。
身体に悪いっつー事は重々承知なんですよ。
頭が目覚めないとかね、
ほんと、散々言われてきた。
でも、結構腰据わってるから。
私の朝抜き歴。

なのにね、
誰も頼みもしないのに、
おっさん、サンドウィッチをね
既に買ってんですよねー。

なんか、ビニールの袋を提げてるのを見て
いや～な予感はしてた。
その中身透視できそうだなーって。

座ったとたん、食べろって言ってましたから。

もうね、強引。
つうか、まず人の話聞かないかんね。

半泣きで食べました。

あーこれから約２時間半憂鬱だなーって。
もうね、最初からこれですからね。
まだ、走り出してもないのに。

切符とかもね、私の分も取り上げてましたから。
おっさんの胸ポケットにしまわれた。
ほんと、親でさえ、この歳になったらそこまでしてくれないっつーの。

切符見せてくれないから
席とかも分からないわけ。
完全におっさんの御付の人っぽくなってた。
ここやって言われて
素直にチョコンと座りましたからね。

まー休めよーなんて言われてね
ほんと、遠慮なしに、
あ、それじゃーって目を瞑ったら
「昔はな～」
って始まっちゃいますから。
相槌打って
一通り話し終わって
ほんと、おめぇの伝記書けるってなって
再び目を瞑ったら
「わしが名古屋に住んでたときは」

寝られねぇ。

浜名湖過ぎた頃にはもう寝るとかヨコシマな気持ちは捨てました。

ようやく名古屋に到着して
山は越えたと思ったら
なんかね、私たちの席の横で
ほんと、切符と座席番号を何度も
チラチラチラチラ見てる男がいたんですよ。

明らかに、私たちに敵意のまなざしを向けてた。

嫌～な予感がしましてね。

「何番ですか？」って聞いたら
まさに今、私たちが座ってる席の番号を言うわけですよ。

乗り出して、その人が持ってる切符を覗きました。

間違いない。

おっさんの持ってる、私たちの切符をむしりとりました。

間違ってる。

あっ違ってるとか呟いてた。おっさん。

ほんとね、ええ加減にせえやって話なんですよ。
まあ目が悪い気持ちは分かるから
３と８を間違ったとかね、
６と８と間違ったとかならね、
まあ、気をつけようぜって肩を叩きますよ。私だって。

でもね、どうゆう視力をしてたら
４と８を間違えられるのかなって。
もう、目ついてないのと同じだかんね。

ほんと、かかなくていい恥をかかせられました。

そんなこんなでようやく大阪について
隣の男をホームですばしっこく見つけて
「ぐーぜーん！！！！！」って駆け寄りました。
もう、コンビは解消よ！って顔してみせた。

どうやった？なんて隣の男に言われて
もうね、ほんと最悪だったとかって話してたわけですよ。

そしたら、おっさん、
私より先手を打って、
周りに、
「あの子、ようしゃべるしゃべる。わし、寝られんかった」
って言ってた。

ほんと、カッとなりました。私。

往復ビンタX４回くらいはやりたかった。

でも、我慢して。

本日最後の懇親会で
おっさんを無視してたら
私がいるとこいるとこについて来ちゃって。
来るとこ来るとこで
「ようしゃべるようしゃべる」
って繰り返してました。
どんだけ、私、朝からおしゃべりさんなんだっつーの！

だから、私も負けじと
席間違えの話を人に耳打ちしました。

隣の男なんて
そんな私たちを見て完全に面白がってましたからね。

ほら、おっさんいるやん。とか言っちゃって。
連れてってもらえばええやん。とか言っちゃって。
来週の健康診断も一緒に行けばええやんとか言っちゃって。

だから、２人にしないでっつーの！
くくらないでっつーの！