あなたも私もテロリスト!?
最近目に付くこの話題について書きたいと思っていたところ、村野瀬さまが、いつものようにポイントをバッチリ押さえたまとめを書かれていたので、全転載させて頂くことにします。ではここから始め。 「テロリスト」という言葉の意味をもう一度確認。 (人気blogランキング参加中。) 自民党の中谷元議員が、政府与党(自民党、公明党)が続けたいインド洋での外国軍(特に中近東に向かう米軍)への無料給油に反対する人たちを「テロリスト」呼ばわりですか...。 あ、この方は落選や引退した元(もと)議員ではなくて、「なかたに・げん」という現役の議員さんです。よろしくお願いします。 それで、ナカタニシいわく、 「(給油活動は)国際社会の中で非常に評価され、ぜひ続けてくれと要望されている。反対するのはテロリストしかいない」だそうです。 さっそく、もっともなツッコミが笑いもまじえていろいろな人からはいっていますね。ここの記事とコメント欄とか、ここの記事とか。 私も政府与党が続けたがっている現状のままのインド洋での無料給油に賛成できないので、テロリストという言葉は私にも向けられていると解釈し、これに異議をとなえるためにこれを急いで書きます。 政府与党(というか、権力者)が自分の政策に反対する人たちをテロリスト扱い、あるいは社会の破壊者扱いして武力を行使して「反 対者はこういう目にあうのだ」と言わんばかりのやり方で黙らせようとするのは、たとえばお坊さんや一般市民のデモを鎮圧するビルマ(ミャンマー)の軍政の 権力者と同じ思考回路に見えます。 ビルマの軍政は世界中の目が報道する中をインターネット規制したり軍を直接に動員して暴力で民衆を黙らせたり、かなり下手なやり方で行っています が、日本の現在の政府与党とマスメディアは、見えないところで報道をコントロールしたり広告宣伝を駆使したりしながら比較的巧みに民衆の異議を抑えている ように思われます。(直接的な力の行使としては沖縄の辺野古でおこなわれている丸腰の自然保護派への自衛隊による介入がありますね。)要するに、直接間接 の力(武力、権力)によって人々を黙らせようとする恐怖支配。 自民党の思想が怖くなって、癒しを求めるために思わずノーム・チョムスキーの本など引っ張り出してしまいました。 チョムスキーは、彼のインタビューを集めた「9/11」の中で、「アメリカこそが第一級のテロリスト国家である」と、具体的な実例をいくつもひきながら明快に指摘します。 手元にあるのは原著でも日本語訳でもないため、ここで引用する内容は要約になりますが、彼はテロリズムをアメリカの法律にある公式の定義をひきな がら、「政治的、宗教的、その他の目的を達成する意図のもとに市民に対して向けられる強制的手段の使用」(第4章の最後の方)という内容で話しています。 チョムスキーは、1980年代のニカラグアへの軍事介入がアメリカがテロ行為をおこなう国家であることのもっとも明らかで議論の余地のない証拠であると言います。そこで指摘されているのは、アメリカは国際司法裁判所によって国際テロで非難された唯一の国であること、アメリカに国際法を見るように求めた国連の安全保障委員会決議を拒否した唯一の国である、という事実です。 ワールドトレードセンターへの攻撃はもちろん特に恐ろしいテロ行為ですが、武力をイラクやアフガニスタンに行使しているアメリカ軍もテロリストである、という文脈で語られます。 第6章では、 「アフガニスタンへの攻撃はたぶん大勢の罪のない市民を殺すでしょう。何百万人の人々がすでに飢えで死につつあるある国で大勢の人を殺すことにさえなるのです。罪のない市民を正当な理由なく虐殺することはテロリズムであり、テロリズムとの戦いではないのです。」という言葉もあります。 とりあえずはこれで十分でしょう。 アメリカのやっていることはテロリズムであり、そういうテロリズムをおこなうアメリカ軍に給油する日本の政府与党もアメリカのテロリズム援助をしているということになります。これは論理的に自然なことです。 もし、この給油がアメリカ軍によるテロリズム(「政治的、宗教的、その他の目的を達成する意図のもとにアフガニスタンやイラクの市民に対して向けられる強制的手段の使用」)を援助することではなく人道的な国際貢献であると日本政府が主張するなら、 『インド洋での給油活動やイラクでの航空自衛隊の米兵輸送活動は「テロの鎮静化」や「人道援助」としての成果を本当にあげているのかどうか、安倍首相はデータにもとづいて具体的に語らなければならない』 http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-397.html のエントリー↑でも書いたように、この給油がどのように人道的な目的に使われたか、どのような成果があったかを具体的に政府与党は語らなければ、 「国際社会の中で非常に評価され、ぜひ続けてくれと要望されている」というだけでは説得力はありません。(だったら、国際社会の中で日本に要望されている 代用監獄の廃止など、もっと真剣に取り組むべきですね。) 「この給油のおかげでイラクは、アフガニスタンはこのように復興した。このように人命を救った。」たとえばこういうふうに、具体的に政府与党は説明していただきたい。 「テロリズムは目に見えないから具体的な成果を示すことにはなじまない」とでも政府与党は言うのでしょうか?ならば、目に見えないものと兵器や軍事的手段でどのように戦うというのでしょうか? 目的も途中経過も成果も知らされていない政治行為、というか戦闘支援行為に国民が賛成できないのは民主主義社会では全くあたりまえではないでしょうか、中谷元議員。 中谷元議員に抗議したい方は、最近更新したこちらの名簿からどうぞ。 衆議院 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会 名簿 (2007年9月26日更新) http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-67.html 中谷 元 ,なかたに げん ,自民,自由民主党・無所属会,衆議院,四国,高知2 ,6 政務調査会副会長(自民党) 安全保障委員会理事,国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会理事 http://www.nakatanigen.com/ http://www.nakatanigen.com/enquette.htm 〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第2議員会館736号室 FAX: 03-3592-9032 〒783-0006 高知県南国市篠原57-1 中谷元高知事務所 FAX: 088-864-5644 中谷元議員、給油のおかげで何人のイラク住民が暖をとることができました、とか、給油のおかげで何社のイラク企業が復興しました、とか、そういう具体的な話をきかせてください。 それを現政府与党はしていません。「イラク人道復興支援活動」という名目が虚しくひびきます。 民主党には、チョムスキーによるテロリズムの定義と実例をひきながら、アメリカの武力行使を無条件に支援するのではなく真の人道支援をめざせと政府与党を追及してほしいと思います。 現にアメリカのイラクやアフガニスタンへの軍事展開で現地の罪のない人々が死んでいます。人がこのように無差別に死ぬ人道援助などありえません。 当秘書課広報室では、国会議員やマスメディアに有権者・納税者としての意見を届けるお手伝いもしております。当秘書課広報室に備え付けの名簿の使い方の説明やすべての名簿へのアクセスは→ http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-86.html (人気blogランキング参加中。応援クリックお願いします。) 」 転載ここまで。 リンク先も面白いですから是非お読みください!