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MAMA's murmur

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2013年06月16日
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☆☆ これは、『創作』のカテゴリーです。「成田山詣」から始まる続きものです。ある男とある女、ある男に食らいついて離れないおばちゃん、その他の絡みあい。ドロドロしたお話しです。


中古マンションのチラシを見せて、ウィニーがラブリーに聞いた。
「ラブリ、この間取りってどうだろね?」

冷えたビールを渡しながらチラシを受け取り、イスに座ってじっくりチラシを見る。
「あら、住みやすそうな間取りね。」

3LDKだが格安だ。
しかもリビングと主寝室がやたら広い。
「値段も手頃だな。これって、どのあたりだろ。」
「ここより東京寄りよ。なんで?」
「どの辺なのか、一度行ってみたいんだけど。」
「歩いては無理よ。チャリなら…そうね、15分ってとこかな。」
「バスでも行ける?ラブリ、自転車に乗せたくないし。」
「行けるはずよ。この辺はね、どっちの駅で降りてもバスを使わなきゃダメなの。バスかチャリね。だから安いんじゃない?」
「そっかあ…電車の駅から遠いんだね。でもそれを言うなら、ここもそうだし、俺の部屋もそうだもんなあ。」と、ウィニーはまたチラシを食い入るように見始めた。

「ひえ~、管理費、高ッ!」
「アパートじゃないんだもの。マンションでしょ?それに維持費だってかかるわよ、古いんだから。」
「そっかぁ…」

ブツブツと口の中で計算を始めるウィニー。

「ラブリ、一休みしたら、行ってみたいんだけど…?」
「いいわよ。明日も休みなんでしょ?じゃあ、夕飯は外ね。」
「うん、ここへ行って、夕飯は外食にしよう。できたら、お子達も一緒に。」

ウィニーはまだチラシを見ている。

「でもどうして?なんでそんなに気になるの?」

チラシから目を上げて、ラブリーをまっすぐ見て言った。
「家、買わない?子供もできたしサ。一軒家じゃなくてゴメンだけど。マンション、それも中古でゴメンだけど。」

びっくり!

「え?」

テーブルをはさんで、ラブリーのきょとん顔とウィニーの真面目顔が見つめ合った。

「思ったんだよ。俺達の年齢でさ、子供ができてさ、アパートで育てていいのかな、って。そしたらラブリのお子だっているし、一家4人になるわけだし…どっちみちここじゃあ狭すぎるっしょ。最低限、もっと広いとこに引っ越さなきゃ。」

ラブリがだんだん泣き顔になってきた。

「一緒に暮らしてくれるの?一緒にいてくれるの?」
「だって、俺達2人の子供ができたんだよ。両親が一緒に住んでいなくてどうすんの?子供に良くありません。それに俺達、ずっと一緒にいようって約束したじゃないか。」

ラブリが瞬きをしたら、目から涙がポロッと落ちた。

「ラブリはいやですかい?」
「いやじゃない!いやじゃない!うれしい。そうして欲しい。でも…でも、あの人はどうするの?おとなしく帰ってくれるの?いなくなってくれるの?」

おばちゃん5.JPG

今度はウィニーが泣き顔になる。
「わからない…」
「でしょ?」
「わからないけどさ…、すぐには帰らないかも知れないけど…でも帰ってもらわなきゃ…ね。」

ああ、またこれだ。
自分からは話しを切り出せない人。
「みんなにとっていい人」なんて有り得ない。
「みんなにとっていい人」というのは、結局、「みんなに対して嘘つき」ってことだ。
そのつどなにかしらの言い訳をしながら「もう少し、もう少し」と時間稼ぎする。
「暖かくなったら」と言っていたのに「暑いから、もう少し涼しくなったら」になり、そのうち「寒いから」と一年は巡る。

「お母さんが死んでかわいそうだから別れ話はできない」と言って、あれからどれだけ経った?
巷では、そんな言い訳でごまかされているラブリーのほうがかわいそうだと言われている。
その一件で、それまでどの店の女の子達からも「いい人」と言われていたウィニーの評判はがた落ちになってきた。
いまだにウィニーに営業電話をしてくる女の子は、もうウィニーにたかろうとしか思っていない子達だ。

「最近、俺達一緒にいる時、メールとか電話とかないでしょ?わかってるんだよ。意地になってるんじゃないかなあ。もう少しだよ。」

意地になってる人があきらめるわけないでしょ!
なに呑気なこと言ってんの、この人は!と、ラブリーは腹の中が煮え繰り返る思いだった。
あぁ、胎教に良くない!

[つづく]





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最終更新日  2013年06月17日 03時11分58秒
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