大富豪、大貧民。
ブッシュ大統領の第二次政権が始まって数ヶ月が過ぎようとしています。大統領選の時は盛んに現政権の政策について議論されたのですが、一旦、ブッシュ船長のアメリカ号が出向してしまうと静観してことの成り行きを見届けるしかないようです。イラクでの戦線は伸びきって、泥沼化してしまっているし、中国の燃料需要が驚異的に増えたために石油の値段は史上最高値をつけています。新しいエネルギー資源は見つかるの?温暖化の問題や温室ガスの削減問題はどうするか、疑問だらけの政策だと思っているのは私だけではないと思います。それに金魚の糞のようにフラフラと着いて行くだけの日本の行く末は...さて、ブッシュの第一次政権が行った政策の成果が段々と評価出来る形で報告されるようになってきたようです。政権を引き継いで直ぐに成果が出せるかといったらそうではなく、やはり、少々時間がかかるようです。さて、ブッシュ大統領は共和党でガチガチの保守主義者です。アメリカの保守とは、『小さい政府』のことを言います。簡単に言うと、政府は減税を行い経済は市場のルールに任せるというものです。民主党の違いは、政府の出費は最小に抑える。だから、国からの助成金や社会保障も最小に抑える政策を立てます。更に説明を加えるなら、共和党政策は富裕層には優しく、中流階級以下の層には少々冷たいものになります。逆に民主党政策は、政府の支出を増やして、民事に介入していく政策になりますね。クリントン政権の目玉はヒラリーが陣頭を執った、国民保険制度の導入でした。クリントン大統領支持者の期待に反して、この政策は暗礁に乗り上げました。それだけ、政府主導の政策に対しては敏感にアレルギー反応を起こすのがアメリカの国民性なのかもしれません。さて、ブッシュ政権の目玉商品はなにか。それは、減税です。不況の折に大統領になったブッシュの公約は富裕層に対する減税を推し進め、投資を開発意欲を刺激することでした。技術開発が進めば経済状況は自然と改善されるというのがブッシュの自論でした。それから、選挙中は中流階級以下にも減税の恩恵があると、ことある度に力説していましたよ。しかし、政府の税収が減るということは、同時に政府からの助成金や社会保障はカットされることになります。それでは、減税の結果どうなったか。予想通り富裕層の一人勝ち現象が起きているようです。現在、急速に貧富の差が広がっています。2001年のデータによると、アメリカでは富裕層(全世帯のトップ10%)はGDP(国民総生産)の53%を稼ぐと報告されています。一方、最富裕層と言われるトップ0.01%、約145,000人の納税者はGDPの15%以上の富を所有しているそうです。たった、15万足らずの人間がアメリカ総収入の15%を占有しているというのは凄いことですよ。2004年のアメリカのGDPは$11.75 trillion (約1250兆円)だそうです。ちなみに日本のGDPは$3.75 trillion (約400兆円)です。仮に最富裕層の収入が10%だとしても、125兆円もの富をたったの15万人の人間が占有している計算になります。やぁ、簡単に125兆円なんていいますが天文学的数字でどれ位のものか予想がつきません。F-15というトップガンでトム・クルーズが搭乗した戦闘機は一機20億円ぐらいだそうです。(値段は資料によってまちまちだそうです)すると、単純計算でも6千万台のF-16が買えることになりますね。日本の高級スポーツカー、日産スカイラインは車体価格が350万円だそうですが、スカイラインなら36億台も買えます。簡単にならなかったですね。(笑)兎に角、ビル・ゲイツを筆頭に、とてつもない富をたったの15万にの人間が所有しているんです。The New York Times紙によると、この最富裕層は他の富裕層さえ寄せ付けない勢いで成長しているんだそうです。これは何を意味するのでしょう。そう、前代的な貴族みたいな超エリートが出現しつつあるといえます。長くなったので、『結』は明日書きたいと思います。このネオ貴族層(造語です...)の出現はアメリカ社会にどういう影響を与えているかあたりも考えてみたいと思います。やはり、あれこれと新しい情報を書き足す悪い癖があります。反省しないと。『Simple is best!』でいきたいですよね。工夫します。 ♪ランキングに投票する。