面心立方格子金属結晶格子2億倍(Al面心立方格子)キットの作り方【はじめに】 結晶全体の中の位置や結晶格子の切りとり状況を生徒に理解してもらうには最低4つ必要です。また、教室で回覧するにも数が必要です。しかし、金属結晶格子モデルは価格1万円ほど、はるかに安価で自作できます。 主な材料:ネットやホームセンター調べ 発泡スチロール球6cm(50個¥2813) 2mmアクリル板(A3サイズ¥1060) アクリサンデー、アクリル樹脂用接着剤(注入器付¥600) アクリサンデー、アクリル板用カッター(¥400) そして、これを応用すれば、NaCl型やCsCl型の結晶格子も作ることができます。 【材料】 ①キットの内容 (1)アクリル板長方形-2枚、正方形-2枚 (2) 6cmスチロール球1/2-6個、1/8-8個 ②用意するもの (1)アクリル板接着剤(アクリサンデー社製) (2)アクリル板曲げ器(アクリサンデー社製,約¥6000)、自作キットも扱ってます。(3)スコッチ社のメンディングテープ 【作り方】<アクリルボックスの製作> ①アクリル板(大)を2枚を罫書き線に合わせてアクリル板曲げ器で加熱し、木片の角や定規を使って正確に90°に曲げます。このときV字の作る面を平面に当てて曲げがヨレないことを確認してください。YouTube「アクリル板熱曲げ」が参考になります。 https://www.youtube.com/watch?v=q75ufSEGgTo&t=4s ②アクリル板(小)に①をアクリル板接着剤で接着します。この時、一辺は1mmほど余ります。位置決めしてテープで仮止めし、接着時ははがして接着液を流します。YouTube「アクリル板接着」が参考になります。 https://www.youtube.com/watch?v=lO5vKC0Mn4U ③①のV字アクリル板2枚目を接着し、箱を作ります。全接辺 を接着してください。10分ほどで強度が出ます。多少、面がずれてもなんとかなります。 <スチロール球のセットと蓋の貼り付け> ④スチロール球を詰め込みます。面心立方格子になるようにぎゅっと入れてください。最上部の1/8球のアクリル板接着部に触れる部分にスコッチのメンディングテープを貼っておくと、接着剤が触れてスチロール球が溶けるのを防ぐことができます。テープはあとで目立ちません。 ⑤アクリル板(小)で蓋をして接着します。アクリル板で押し込むように、テープを引っ張るようにして貼り付け仮止めしておきます。一辺ずつテープをとって、接着していきます。取らないと、テープに沿って接着液が流れてしまい汚れてしまいます。2,3分抑えておけば接着できます。 【ヒント】アクリル板曲げと接着 ①アクリル板は80℃で軟化します。加熱中一端を抑え、他端を持ち上げてみてください。曲がり始めたら、曲げ器から外して曲げ操作に入ってください。加熱始めてから1〜2分で柔らかくなります。 ②接着剤はジクロロメタンCH2Cl2です。実験室にあるのを使うことができます。これを注射器に入れて、注射針をセットして接着面に流し込みます。しかし、最初はアクリサンデー社製のアクリル板接着剤を買っておくと、付属の接着容器が便利に使えます。 ③ジクロロメタンCH2Cl2は沸点が低いので、付属の接着容器に入れ、容器本体を手で持って傾けるだけで針先からピューと出てしまいます。容器の首を持って、残った指で容器のふくらみ部を温めると少しずつ出すことができます。 ④接合面の隅に接着容器の針先を当て、接着剤を流すと接合面に流れ渡っていくのが見えます。すぐに蒸発するのでしばらく保持してください。20秒ほどで接着が終わり、次の作業に移るまで10分ほど待ちます。 ⑤接着剤がアクリル板面につくと白く濁ります。つかないように慎重に接着操作をして下さい。もしついたら諦めて下さい。ふき取ろうとすると、白い濁りを広げてしまいます。 ⑥初めから完璧に作ろうと思わないで下さい。丁寧に作っても多少のズレ、アクリル板のはみ出しは常に起こります。特に、最後のふた閉じで大きく誤差が現れます。ふたが小さいとき最悪でも2〜3辺接着してあれば丈夫です。不安なら、ふたの各辺をセロテープなどで補強して下さい。 |