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カテゴリ:父の残した水彩画
この絵は知っている人も多いはずの小林和作。の「桜島」。 父が健在のとき、ロータリークラブに一時在籍していた。 会員仲間に画商がいた。 父は画商さん、好きではない。モジリアーニの「モンパルナスの灯」に出てくる画商見て嫌になったのかな? モジリアーニの絵がいいのがわかっていて、買い控え。 野垂れ死にしたのを確認して、奥さんの元へ。 絵が欲しいといってただ同然で手に入れる。 そんなストーリー。 ある日、その画商の方から電話があり、小林先生が親父に絵を持って尾道まで来て欲しいといっておられる。 車で行きましょうかと言ってきた。 父は30枚ほど桐箱に入れて尾道へ向った。 先生の家に着き、先生が絵をご覧になる。 30枚の絵を二つに分ける。 「こちらを頂こう、おいくらかな」 父はそんな言葉予想もしていなかった。 とっさに、「お金は結構です。まことにぶしつけですが、その絵と先生の絵一枚と交換してもらえませんか」 先生「いいよ」と言ってアトリエに行き、「この中から好きなの選びなさい」 と言ってもらったのがこの絵。 帰り際に先生が封筒差し出された。 父は辞退したらしい。 でも先生が「車代、いくらも入ってないから」とおっしゃったそうな。 家で封筒開けると、ピン札で通し番号の札束。 「お母ちゃん、どうしょう」 絵描きは、世間知らずだからね。 そうだから絵が描けるのかもしれない。 額まで写したのはわけがある。 この額15万円なり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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