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2013.03.20
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みるく の物語

1  予期せぬ出来事

「やーい!!みるくが、また泣き出したー・・」
「お前なんか、この街から出てお行き!!・・」
「恥知らずの・・みるくだよ・・おー嫌だ嫌だ・・」
「お前の母さんに、申し訳ないと思わないのか・・・この娘は・・」
「だめよ!!みるくと仲良くしちゃ・・・!!」
「立派な一族のお家柄なのにねー・・・ヒソヒソ・・・」
今日もまた、みるくの行く先々で・・・ヒソヒソ・・・と聞こえてきます・・・。
「マミー・・・ただいま・・・」ポツッと・・・みるくは玄関の扉を開けて城の中へと入っていきました・・。
「みるく様・・お嬢様・・・今日も・・おやつれになられて・・」執事のトムソン爺さんが、みるくに近寄っていきました。
「・・・・」みるくは、無言で・・・二階の部屋に入っていきました・・・。
「どうしたものかの・・・婆さんや・・・」少し後ろにトムソン爺さんの奥さんが立っていました。
「今日は食事を取ってくれれば良いのだがの・・・」トムソン爺さんがつぶやきます。
みるくは、今日も自分のベッドにもたれて泣いていました。
「マミー・・・」みるくは・・・涙がとまりません・・・。

「トントン・・・」窓ガラスをたたく音がします・・・
「誰なの・・・?」泣いていた、みるくは窓ガラスを見つめて問いかけました・・・。
「空けておくれでないかい・・・」低い声の返事が返ってきました。
「誰なの・・・?」みるくは、涙を拭いながら窓に近づきました・・・。
「みるく・・・や、久しぶりだね・・・」見たこともない  おばあさんがプカプカ宙に浮かんでいました。
「私を・・・知っているの・・・?」みるくは、もう泣いていません・・・。
「おやおや・・・この子は・・・」窓から中に入ってきました。
「・・・」みるくは、おばあさんを見つめています・・・。
「あたしはね・・・おまえの母さんの古い友達だったのだよ。」おばあさんは、みるくの部屋を見渡しながら・・・みるくに、こう言ったのでした。
「マミーの・・・?」みるくは聞き返しました。
「そうだと言ったろ・・・」「鈍い子だね・・・。」おばあさんは部屋をぐるぐる見渡しています。
「おばあさんも・・・あたしを・・・いじめるの・・・?」また涙があふれてきました。
「馬鹿お言いでないよ・・・!!」ムッとしたおばあさんが、みるくに向き合います。
「・・・・」みるくは、涙が止まりません。
「いいかい・・・よくお聞き・・・まもなくこの世界の終りがやってくるからね・・・いじめられてもいじめられても強く生きていくんだよ・・・そうそう・・・
今まで通り他の者達と同じような食事をとってはいけないよ・・・いいね・・・しっかりおしよ・・・あんたの母さんは・・・強かったよ・・・
まったくこの子ときたら・・・」
おばあさんは、そう言うと、元来た窓へ歩いていくのでした。
「それからね、あんたが本気であたしの言うことを信じることができたのなら・・・また会いにくるよ.」
そう言って、みるくの机にあった、みるくの母親の写真に手を振って・・・窓の外へと消えていきました。
「・・・」みるくは、涙が止まりません。
「・・・」何も考えることのできないまま、みるくは  いつしか眠ってしまいました。

2  裏切り

みるく、の世界では・・・
動物達に、噛み付いて血液を「食事」とする種族・・・ギラン族。
植物達から、蜜を分けていただき「食事」とする種族・・・オーラル族。
が、この世界を制覇しておりました・・・しかし、みるくの曾お爺様の時代に後者の種族を滅ぼしたのです。
しかし、独りだけ後者の血を引く子孫がいたのです・・・それがみるくの母親でした。
みるくの母親は、みるくを育てるときに、人目につくときには動物達の血液をあげる振りをしながら、実は植物達の蜜をこっそりあげながら、育てていたのでした。
もちろん母親も、動物達に噛み付く振りをしながら植物達の蜜を「食事」としていたのです。
ところが・・・ある夜の出来事でした・・・。
みるくの父親に、植物達の蜜を「食事」としているのが見つかってしまったから・・・さぁ大変!!
みるくの母親ジーラは、みるくの父親ギランに、噛み付かれてしまいました・・・。
もう・・みるくの母親は、動物達の血液を「食事」とするしか生きていけません・・・。
嘆き苦しんだ母親ジーラは、父親ギランが眠っている隙を見て・・・地下にある別室の・・・血族しか知らない部屋に自ら二人で幽閉されたのです・・・
この部屋には・・・昔々ギランの先祖が、ジーラの先祖達を葬り去るために作られた部屋でした・・・
一度中に入ると外からしか扉を開けることができない仕組みになっていました・・・部屋にあるものは何も見えない・・・
真っ暗な世界でした・・・天寿を迎えても、中からは扉が開かないので・・・。
目が覚めて、怒り狂ったギラン・・・。
しかし、何も見えない闇の世界・・・どうしてそこにいるのかも分かりません・・・もちろんジーラがどこに居るのかさえわかりません・・・
大声を出し・・・半狂乱になっていくしかありません。
母親ジーラもまた、そっと涙を流し、毎日毎日「みるく頑張って生きてね・・・お母さんの分も・・・生きてね・・・」
そう願いながら、ギランに見つからないように天寿を迎える覚悟で居ました。
外の世界ではギランとジーラが居なくなったことを不振に思う者は誰もいません・・・何故なら・・・みるくの父親がこの国を支配し動かしていたからです・・・
しかし、みるくが一人のおともだちに話をしたことがきっかけで全世界に知れてしまったのです。
「お願いだから誰にも言わないでね・・・」みるくは信じていた友達のオルトに、相談したかったのです。
「大丈夫・・・言わないよ・・・・どうしたの・・・みるく・・・」確かにオルトは・・・こう言ったのですが・・・。
もう既に全世界は噂の日々でした・・・。
「旅行かしら?」
「誘拐よきっと・・・」
「きまぐれでしょう・・・」
「私達をかくれて偵察しているらしいわよ・・・反ギラン族や、裏切り者を探しているのですってよ・・・」
「亡くなったらしいわよ・・・」
「新しいお城を建てるらしいわよ・・・」
様々な噂の中・・・みるくが「食事」をしていないことに、疑問が生まれて・・・
今は、みるくが噂の真っ只中でした・・・。
「あの子は実はギラン族ではないそうよ・・・」
「みるくは、食事をしないそうだよ・・・薄気味悪いね・・・」
「もしかしたら・・・あのこは・・・オーラル族の生き残りだってさ・・・おー・・・気持ち悪い・・・」
「あのこをなんとかしなくちゃね・・・」
「ギラン様は・・・どうなされたのかね・・・」
みるくの、心を打ち明けたことが災いして・・・。
オルトが、みるくの心を・・・裏切ってしまったことが災いして・・・。
今日も、みるくは泣いているばかり・・・。





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Last updated  2013.03.20 20:05:13
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