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カテゴリ:坂田 博昭
世はまさに、右を見ても左を見ても、なでしこ旋風でございます。 これだけ女性があらゆるシーンで活躍している中で、今さらそれをどうと言うのも何だか時代遅れという気もするのですが、とにもかくにも「女性のやること」が凄い。何より注目されますし、もっと言えばビジネスになるのもむしろ男性よりもむしろ女性、という状況については、やはり真面目に向き合わなければならないのではないかと思います。 不思議なのは、スポーツの世界における「なでしこ」現象です。話題の最先端を行くサッカーがまさにそうなのですが、男性と女性で同じ(ないしほぼ同じ)ルールで行われる競技の場合、競技自体の「質」としては間違いなく男性のプレーの方が女性のプレーよりもハイレベルなもののはず。しかしそれでも、一旦注目され始めれば女性のプレーの方が一層人目を集めますし、ビジネスになるのも早い。ゴルフもそうですよね。私が好きなカーリングもそうで、ゲームの面白さは男性と女性では比較にならない程の差があるのですが、人気があるのはやはり女性の方。というか、こないだなんか「カーリングって、男性もやるっていうの初めて知った」とか言う人にも出会いましたから(苦笑)。
公営競技の世界も、同じようなことが起きています。 ボートレースの世界では、身体的な不利をある程度「道具」が克服してくれるという競技特製もあり、古くから女性が競技に参加し、ビジネスとしても重要な要素を占め続けて現在に至っています。現在では、「業界は女子レース頼み」とすら言われるほど女子オンリーのレースが高い売り上げをマークして各レース場の経営を支えています。 オートレースでは超久々の44年ぶりに女性選手の養成に踏み切り、現在は2名が活躍中。オートに詳しい人に聞けば、特に話題になっている佐藤摩弥選手は単に話題だけではなくて走りもなかなかのもので、十分注目に値するとのことでした。実際、彼女がレースに出ることによるオートレースの宣伝効果は、かなりのものがあるのではないでしょうか。 競輪でも、一旦は衰退して廃止された女子競輪が、来年夏には「ガールズケイリン」として復活予定。競輪の場合はまさに競技の質における男女差が心配されるわけですが、それでも「なでしこ」の力を業界の活力にしようという取り組みが果たして成功するのかどうか、大いに注目されるところでもあります。
翻って、競馬業界…。 今年の門別開幕で挨拶する下村ジョッキー。
いま頑張っている皆さんには、とにかく頑張って!と応援していくよりほかないのですが、先に向けての展望がいまのままで開けるのかどうか。競馬における「なでしこ」の炎は、絶えてなくなってしまうのではないかと心配しています。 例えば、引退した宮下ジョッキーとか別府・山本両ジョッキーとかが、韓国に行ってしかるべく騎乗もし、活躍もしているという状況が、単に向こうとこちらのジョッキー全体のレベル差によるものなのかということについては、一度考えてみてもいい問題なんじゃないかという気もします。
いずれ、競馬の世界にも「なでしこ旋風」が吹き、そのこと自体がいい方向で世間の耳目を集めるときが来るのでしょうか。単に一人のヒロインを待っているだけでは、状況は何も変わらないような気がするのですが…果たして、どうなんでしょう? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年11月23日 00時35分14秒
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