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カテゴリ:古谷 剛彦
ブリーダーズゴールドジュニアCは、カイカヨソウが並み居る牡馬勢を抑え、見事な逃げ切り勝ちを収めました。さあ、明日は札幌競馬場で「クローバー賞」が行われますが、JRA勢が強力な布陣の中、ホッカイドウ競馬勢5頭が肉薄できるか注目されます。 何と言っても注目は、2戦2勝のジェネラルグラントと、これにウィナーズチャレンジ競走で肉薄しバゴ賞を圧勝したクラキンコの全弟・クラグオーになるでしょう。 「初芝や初めての環境だと課題もありますが、潜在能力はこれまでデビューしたホッカイドウ競馬の馬たちの中でもかなりの器だと思いますので、何とか善戦を期待したいと思います」(ジェネラルグラント、広森師) 「JRA勢はかなりメンバーが揃いましたが、これまでJRAに挑戦させて頂いた馬たちと比較しても素質ではヒケを取らないものがありますし、姉のクラキンコ以上の素質も感じます。芝は未知数ですが、札幌2歳Sの権利を獲れれば…と思っています」(クラグオー、堂山師) そして、ダイワズームの半妹という血統背景から注目度も高いメロディアスと、全出走で逃げているスピード馬のマンボマーチの角川勢2頭は 「メロディアスは、前走後少し食いが細くなり、馬体の回復を考慮して調整してきましたが、良い状態で挑めます。マンボマーチはこれまで逃げていますが、他に速い馬がいればハナにこだわることはありません。2頭とも芝はこなせるスピードと走法をしているので、どんな走りを見せてくれるか期待しています」(角川師) また、函館2歳Sは後方のまま12着に終わったミータローですが、2度目の芝で前進が見込めます。前走後はこのレースを目標に調整されていましたし、状態も引き続き好調です。来週の「コスモス賞」も含め、ホッカイドウ競馬の2歳馬たちがJRAの舞台を賑わして欲しいと思います。 さて、セレクトセール、セレクションセールの国内二大競走馬市場が好結果を収めましたが、7月31日には青森県の八戸家畜市場で「八戸駒市場」が開催されました。個人的に八戸市場に来たのは5年ぶり。セレクションセールの時に、各セールの鑑定人でお馴染みの松橋さんは、地元の青森のセールに多くの人を集めたい思いもあり、僕なんかにも 「来なよ」 と声を掛けて頂き、久しく行ってなかったし、たまにはいいかなと思い、踏ん切りつけて行きました。 一昨年まではセレクトセールの前週に行われていたので、暑さも和らいだような感じだった記憶がありましたが、今年のセール当日は全国的に猛暑で、黙っていても汗がしたたり落ちる状況が続き、多くの関係者がタオルを首にかけて汗を拭っていたほど。僕は、比較展示の合間に冷たいお茶を毎回飲みに行って暑さをしのいでいました。
3頭欠場となり67頭が上場された八戸市場、32頭が落札されました。売却総額は7339万5000円(金額は以下も全て税込)、売却率は47.8%。前年比で売却率は5.6%増、売却総額は約136万円増とともに伸びましたが、100万円未満で取引された馬が7頭いるなど、1頭当たりの平均価格は229万3593円で前年より約37万円減という厳しい結果でした。
(セイカシリアスの2011)
馬主の誘致にも主催者は努力していますが、購買登録者数が64人と他のセールと比較すると少なく、そのため競り合いになる馬もあまり見られず、ひと声でハンマーが落ちるケースが目立ってしまいます。 青森県軽種馬生産農業協同組合の山内正孝代表理事組合長は 「売却率が上がったとはいえ、2桁(×万円)の取引馬が7頭いたなど平均価格が下がりましたし、身近である岩手競馬は毎年、翌年の開催がどうなるかという状況が続くので、馬主の方々がトレーニングセールにシフトしていますから、掛かる経費なども考慮されるとなると1歳市場で購入するのもなかなか難しい状況となっている可能性はあり、様々なことを含めて東北の生産界にとっては非常に辛い結果となったと言わざるを得ないでしょう。ただ、デフレが続けば生産する意欲も失われてしまいますし、次なる投資へと進んでいかなくなる恐れもあり、この結果を踏まえて生産者とともに活路を見出していくしかありません」 と、厳しい表情を見せていました。岩手競馬で活躍している馬たちの弟妹も上場されていましたが、主取になった馬が多かったのも残念でなりません。セレクト、セレクションが好結果だったとはいえ、これからのセールが本当の意味で競走馬市場の指標となります。8月20日から24日までの5日間開催となる、北海道市場のサマーセールはディープインパクト産駒の上場もあるなど、良血馬もいて注目度も高いと思われます。この後の1歳市場が盛り上がってくれることを願いたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年08月03日 17時35分18秒
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