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カテゴリ:坂田 博昭
水曜日の担当は、坂田博昭です。
今週も月曜日から、北海道に来ています。 月曜日は札幌競馬場に、北海道トレーニングセールの公開調教の見学に行って来ました。 昨日のセール本番には私は参加していないので、セールについての話しは古谷さんにお任せして。 私は周囲の風景だけ。 太田さんも書いているように、今週の北海道は先週とはまったく違って天気が悪く、そしてとても寒い…。 しかしセールに向かう馬たちは、元気よく疾走して成長のあとを示していました。 この場所で競馬が始まるまで、もうあと2ヶ月。 この日走った馬の中には、今度はレースの舞台となるここでライバルたちとスピードを競う馬たちもいるのかも知れませんね。 大勢のひとびとが集まる、競走馬セールの会場。 その会場では、様々な物件案件のプロモーションが行われるのが常。 馬に関するもの、馬には関係ないもの(高級車とか!)、様々なブースが設置されて、集まったひとびとの興味を惹いています。 今回、注目したのがこちら。 競馬場や牧場で用いられる柵 JRAファシリティーズのブースです。 紹介しているのは、フランス・fornells社が作る、ポリ塩化ビニル製の柵 フランスのロンシャン・シャンティ・ドーヴィルといった主要な競馬場で採用されているだけでなく、欧米アジアの主要国で幅広く使われているとのこと。 日本でも取り扱いが始まり、一部牧場や、地方競馬の現場でも導入の流れが出来てきているそうです。 用途に応じて様々な柵があるんですね。 このfornells社の柵の最大の特長は、強度と安全性。 衝撃に対して非常に高い柔軟性を持たせることで、衝突時の緩衝性・安全性を確保しています。 デモンストレーションです。 一般の方はマネをしないように(笑) このように、レールの素材に上から力を加えると、しなやかに変形して力を吸収します。 勿論力を取り除くともとの形に戻る。 従来の素材にはない特長だとのことです。 この素材は中が中空ですが、もっと強度が必要なところには中にも構造物の入った素材もあります。 更に、汎用性においても優れているのがこの柵 このように、素材の一部が可動式になっていて伸縮したりはめ込み式になっていて、柵を設置する場所や形状を問わずに使うことが出来るのです。 使い勝手の良さから、競馬場のような大規模な案件だけでなく、小さな牧場や厩舎の引き合いもあるとのこと。 JRAファシリティーズの矢島輝明さんに話を聞きました。 矢島さんは、JRAで長らく馬場に関する事を幅広く手がけてこられた、この分野のエキスパート。 「ヨーロッパでは、こうした設備面で馬や人への配慮をする流れがあります。この柵が(衝突した際の)馬の安全面ではこれまでのものより優れているのは、そうした考え方の表れです。」 「日本では、例えば競馬場の柵についていえば運営面、馬がぶつかっても開催の進行に支障が出ないように、といった方向に考えが向いていました。ヨーロッパとは考え方が違っていたんですね。」 矢島さんは、「そういう運営面での使い勝手は勿論大切なこと」と断りながらも、このように続けました。 「いまは馬に対する考え方も変わってきていますし、JRAの競馬場だけでなく地方競馬、育成牧場、あるいは厩舎内の柵の整備で、こうして馬の安全性に配慮したものの導入が検討されています。私たちとしては、いま少しずつそうしたところでの実績を積み上げて、よりよいものを導入できるように取り組んでいます。」 強い馬作りの成果が試される競走場セールの現場で、よりよい競馬や馬作りのために取り組んでいる皆さん方の、熱意に触れることが出来ました。 普段何気なく目にしている、柵。 今度競馬場に行ったとき、改めてその佇まい(笑)を見てみて下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年05月24日 11時34分18秒
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