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2018年05月18日
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カテゴリ:古谷 剛彦
金曜日は古谷が担当します。

 今週、ギャンブル依存症関連でのツイートが、色々と話題になりました。この業界にいれば、当然このような課題、問題などに無関心な訳はありません。ただ、この記事がヤフーニュースに上がり、見てみて残念な気持ちになり、自分自身の子供の頃に照らし合わせ、残念な思いをつぶきました。それに対してのみ書いたものではないのでしょうが、さも「業界に染まった意見」的に捉える人もいて、さらに残念な気持ちになりました。文字数が限られた場面では、しっかり伝えることは難しいことを改めて感じたので、ちょっとだけこの件に関して個人的な意見を書きたいと思います。

 私は、父が競馬をしていたし、ひと回り上の姉もマルゼンスキーという馬が好きで、マルゼンスキーが出走するレースは正座をして見ていたと聞くような環境で育ちました。自然に競馬が好きになり、競馬を見るようになり、その流れの中でオグリキャップという馬が出たことで、競馬に対するメディアの露出に変化が生まれ、競馬の世界に対する憧れとともに、競馬の世界を目指すようになりました。

「ギャンブル場に子供の頃から行けば、ギャンブル依存症になる可能性が高い」

という意見に関しては、そういった側面もないとは言えないでしょう。その恐れを認識し、予防する上での対策を練ることは、やるべき課題だと思います。とはいえ、結論づけができるほど、しっかりしたデータに基づいた発言でもないことも言えるでしょう。

 昨年、田中紀子さんが出演しているラジオの中で、千葉県の高校生5000人を対象としたアンケートで、ギャンブルの経験の有無に関して106人が経験ありと答え、そのほとんどがギャンブル場に連れていってもらった経験があったという話をしていました。ただ、このデータが依存症につながると言い切れるデータではないことが明らかで、彼らを数年後に再びデータを取り、成年になってからギャンブルをやっているか、やっているなら金額はどのくらい賭けているのかを調べて、初めて依存症になる可能性を言及できるものだと思います。

 あと、ギャンブル依存症に関連し、アルコールやタバコを例に出して論を展開することも、よく目にします。ギャンブルという側面で捉える上で、成年・未成年での考え方で、これらを引き合いに出すのはわからなくもないとは思います。その一方で、「スポーツギャンブル」という言葉がありますが、競馬や競輪、ボートレース、オートレースはスポーツという側面もあります。騎手を始め、競馬に関わる仕事に就きたいと思う人たちは、未成年の頃に競馬場で馬を見る、馬に触れる体験をしている人は多数います。実際、騎手になった人たちに目指す動機を聞けば、

「親(祖父や祖母も含む)に連れられ、騎手に憧れを持った」

と話す人は、本当に多くいます。騎手を目指して競馬学校、地方競馬教養センターに受験、そして入学する子たちは、9割9分未成年者です。スポーツという側面で競馬を見て、憧れを持つ人も多数いることは、ご理解頂きたいところです。

 カーレーサーは、運転免許が認められる18歳から運転をしているかと言えば、全員がそんな訳はありません。子供の頃にカートに乗り、その体験からレーサーを目指していく人が大半です。その上で、徐々に体に合わせて車を大きくしていく流れもあります。

 騎手を目指す子供たちは、乗馬クラブなどに小さい頃から通う人もいます。以前ならいきなりサラブレッドクラスの大きな馬に乗っていたことが多かったんですが、今は乗馬クラブなどでも、体に合わせてポニーから騎乗を教え、徐々に馬のサイズを大きくしていく流れがあります。これは、カーレーサーを範にした側面もあります。

 今週は韓国で「アジア競馬会議」が開催されていました。会議とは別に、各団体がブースを出して、個別に色んな話を聞く場もありましたが、「International Forum for Aftercare of Racehorses(IFAR)」のブースに、たまたま日本人の友人がいて、色々と話を聞かせてもらいました。引退馬に関するアフターケアは、世界的にも課題であるとともに、競馬はまだ、各国の国民に受け入れていないことを痛感する事象が多いそうです。



 例えば、メルボルンCは華やかな話しか聞いていない人が多いと思いますが、競馬場から近い場所で、反競馬のデモのようなものもあったという話を、会議の中でもオーストラリアの競馬関係者が話していました。競馬先進国では実際にあって、まだまだ競馬に対する理解は、案外ないんだという話を聞きました。競馬に反対する勢力に対し、正確なデータ、正確な情報を与えていくことで、理解を頂く努力を主催者はもちろん、メディアにも求めていくことは必要不可欠だという話をしていました。

 ちょっと話は変わりますが、このブースで話をした友人とは昨年、新ひだか町の地域おこしプログラムの1つである「ひだかうまキッズ探検隊」のお手伝いをした仲でもあります。そのプログラムの一環で、「サラブレッドが競走馬になるまで」というテーマで、牧場に行ったり、ある日は門別競馬場に来て、実際に競走馬をパドックで見ることを学習の1つに置き、私が門別競馬場での講師を務めました。馬産地だから、他の地域よりは、ある程度の理解は得られるのかもしれませんが、この事業を町として行っている背景には、やはり人手不足という側面もあります。子供の頃から馬に慣れ、学習することで競馬産業を目指して欲しいという思いがあるようです。

 協賛レースも行い、そのレースを勝った調教師と騎手には、自分たちが作った賞状とメダルを渡すシーンもありました。調教師と騎手も本当に嬉しそうな表情で、子供たちと記念撮影をするなど、非常に和やかな雰囲気で、表彰式が行われていましたが、子供たちにとっても良い思い出になったと思います。




(ひだかうまキッズ探検隊協賛レースの表彰式の様子)

 冒頭の話題が批判されると、この取り組みも当然ながら批判対象になるでしょう。パドックで子供たちに馬の見方などを教えたということでは、私も同じ立場ですから、他人事ではありませんでした。当然、ブースでも友人とは、この話題にもなりましたが、競馬が取り巻く環境は、世界的にも厳しいという事実はしっかり受け止め、それに対する方策は、先述した通り、正確なデータと情報を出し、スポーツはもちろん、科学的な要素なども含め、競馬を行うことの必要性も伝えていければ…という思いにもなりました。

 田中さんは、真っ向からギャンブルを否定している訳ではないと認識しています。実際に、昨年のラジオで

「広く浅く、みんなが安全に楽しめるように工夫していく必要があると思います。ギャンブルは息抜きとしては有効ですし、ギャンブルの楽しさを1番わかっていますから、それをなくせというのは違うと思います」

と話していました。ビギナーズセミナーの講師などをしていて、競馬を楽しむように促し、実際に楽しんでいる姿を見て、こちらも嬉しく思う時があります。競馬はだいぶ昔から、ほどよく楽しむ姿勢で対策してきたと思うんですが、それでも、今回のNHKの放送内容は理解できない、という意見などには真摯に受け止め、幅広く競馬を楽しんで頂けるような方向性を生み出していくさらなる努力をしていく必要はあると思います。





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最終更新日  2018年05月19日 13時18分44秒
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