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2019年11月21日
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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。

 本来であれば11月18日の月曜日をもって今シーズンの盛岡開催が終了、水沢開催が始まりますね・・・というお話を書くつもりだったのですが、既報の通り禁止薬物陽性馬が発生、4日間の開催中止となりました。

 昨年から同じような書き出しで同じような話を何度も書いていて混乱しそうなので、改めて今回の件を整理しておきましょう。

・11月10日(日)/盛岡第2レースにノアクリスティン号が出走、2着
・11月15日(金)/A検体陽性判明、B検体での追加検査を要請。同時に農水省、地全協に報告、岩手県警に連絡
・11月17日(日)/B検体陽性判明
・11月17日(日)/禁止薬物陽性馬発生の会見と18日及び23~25日の開催取り止めを発表
※なお同馬は既に事後失格済み

 岩手競馬ではここ2シーズンで5頭目の禁止薬物陽性馬の発生(※昨年行われた全頭検査の中で他に1頭、ボルデノンの反応があった馬が出たことから“昨年5頭・これで6頭目”という表現がされる場合がありますが、その1頭はレース直後の検出では無いため競馬組合では発生馬の中に含めていません。ここでもそれに倣い“5頭目”とします)です。

 昨年は7月、9月、10月、12月にそれぞれ1頭発生しました。11ヶ月を経てついに、とうとう、再発したことになります。

 書きたい事はたくさんありますが、中でも一番なのはやはり「犯人の発見に全力を尽くしてほしい」という事です。

 19日火曜日に盛岡競馬場で競馬議会が行われました。今回の件がどのように話し合われるかを知るために自分も傍聴の列に加わらせていただきました。
 その内容は新聞等でも報道されておりますが、競馬組合側からの現状報告としては、今後在厩馬の全頭検査と対策の再点検を行う、それに要する時間のために18日から25日まで開催を取りやめる、全頭検査で問題がなければ30日から開催を再開したい。またのべ4日間の取りやめによって粗利として1億2600万円の損失(※取りやめになったレースの分の賞金などもあるため、実際の損失額は8~9千万円とのこと)が出るが、現状で分かっている黒字額で吸収できるので、休止がこの4日間だけであれば赤字転落は無い。というものでした。
 競馬議会議員からは「警察の捜査や組合による対策が適切に行われているのか」「現在のやり方を見直す必要があるのでは」「農水省や地全協からどんな事を言われているのか」という質問、他には「現在の対策が犯人に対して抑止力になっていないから再発したのでは」「また同じ事を繰り返されるのではないか」という意見・懸念も出ました。
 これらに対して組合側からは「捜査は警察に任せており、内容については捜査が進行中のため口外できないが適切に行われていると考えている」「開催取りやめは農水省や地全協からそうしろと言われたものではなく自主的判断による」等の答えがありました。


 組合批判だと受け取られるのを覚悟の上で書くなら、話の流れを自然に聞いている限り「これではまた犯行が起きるかもしれない」と感じざるを得ないのではないでしょうか。

 確かに現状の対策、競馬場の警備であったり厩舎側の取り組みであったりは出来ることはしっかりやっていると思います。
 例えば厩舎地区への立ち入りは現状、非常に厳しくなっています。馬主さんでも以前のように単独で厩舎どころか厩舎地区に入ることもできないですし、厩舎側の日頃の作業も以前とは段違いに気をつけたものになっていますから。それは最近ではなくて昨年からそうです。
 なので故意の犯行・妨害行為という事であっても「外部から何者かが侵入して・・・」というストーリーは、絶対に100%とは言えないかもしれませんが、まず無い。

 ただ、そうであっても実際にまた犯行(って書いちゃいますけど)が起きた。今の状況のどこかに盲点があるという事になるわけです。であれば「今のまま」では何かが足りない。何かが見つけ出せていない。現在の状態が「犯人」にとって脅威ではないということですから、今後もまた犯人の跳梁を許す事になってしまう可能性が否めない・・・どころか「犯人、自由に動けちゃってるじゃない?」と言わざるを得ないのです。

 少し話を戻して、この続く薬物事件が「岩手競馬の廃止を狙ったもの」ではないと自分は考えています。前にも書いたかもしれませんが、廃止を狙うならもっとクリティカルな狙い所がある。
 例えばの話、今年の3月とか4月、あれだけ心配された中で再開した直後に薬物が出ていれば、その時点で無期限の開催休止になっていたでしょう。昨年なども9月の休止から再開した直後の開催ですぐ発生させればその時点で年度内休止だったでしょうし赤字転落を免れるのは難しかった。
 昨年は結果的な部分はあるにせよ年間赤字の心配がほぼ無いとなった段階で4頭目の陽性馬が出た。今年は、ここまでで既に昨年とほぼ同額の発売額に達した所で発生している。
 むしろ「廃止自体はギリギリで回避される」事を分かっていて狙ったものではないかという疑惑すら浮かんでくるタイミングです。

 ただ、だからといって「廃止は免れそうなんだからなんとかOK」ではない。
 この4日間の開催取りやめで黒字額が1億円程減る。1億円というのはシーズン全体の全レースの1着賞金を5万円ずつ上げられる額に匹敵しますし、騎乗手当などでも倍とはいかないまでも1.5倍くらいにはできる原資になるわけです。決して小さいものではない。
 岩手競馬は今や賞金も手当も全国最安レベルで馬主さんらには「魅力がない競馬場」になってしまっている。毎年少しでも多く売上を増やして、それを競馬場全体の底上げにつなげて、生き残る体力を付けていかなければならない時期なのです。
 これも何度も書きましたが盛岡のコース照明を付けるのが2年遅れた時点で大幅に出遅れているんです。そのうえ昨年の薬物問題でさらに遅れを取った。今年こんな事をしている場合ではない。
 この分のボディブローを残したまま懸念されている「オリンピック後の不景気」に突入してしまったら?競馬界の中で真っ先に限界が来るのは岩手競馬ですよ。それくらい危ない状況になっているのを組合や構成団体は意識してほしいと思うのです。

 警察の捜査に関しては伝え聞く範囲では「?」と感じざるを得ない事が多いですが水面下でなにか動いているのかもしれない。監視カメラの映像についても、実際に一見して不審と分かる人物や行動は映っていないのかもしれない。
 しかし、今回の5頭目は2週間前に1着になった際には薬物は検出されていないのだから、馬が薬物に触れたのはこの2週間に限られる。昨年の4頭目も転入初戦だったのですから同様に期間は限定される。例えばノアクリスティン号が「10月26日に勝って11月10日のレースを終えるまで」の全ての行動を監視カメラの映像から再現するのは難しい話ではないでしょう。馬が滞在した場所の全てを、馬に触れたあるいは馬が立ち回る場所に居ることができた人物を全てピックアップする事も不可能ではないはずです。ある意味たったの14日間なのですから。その中に何かヒントがあるに違いないと考えるのは私だけでしょうか?

 監視カメラの映像を開示するのは監視する側の手の内を明かす事にもなりますからうかつにはできないにせよ、外部の第三者、農水省やJRA、地全協などの専門家に弁護士等を交えた調査委員会を立て、カメラの映像をチェックし先入観のない目で不審な点おかしい点を洗い出してもらうのは一つの手法になりうると考えます。

 先の競馬議会でも議員から「犯人を捕まえないことには将来何度も繰り返されるのではないか」と懸念が出ました。そのとおりです。もし今年がこの1回で終わったとしても来年、また翌年と繰り返されるわけにはいきません。そこまで岩手競馬が保ちません。
 犯人に自由に行動させない事でひとまず対処とするというフェーズはもうとうに過ぎています。犯人を見つけ出して捕らえる。もしグループであれば全て根絶する。その結末によって岩手競馬の評判が一時揺らいだとしても、今後何年も有形無形の不利益を被ったままビクビク過ごしていくより遥かにマシです。
 とにかく今組合や構成団体がやるべきは、犯人を「徹底的にあぶり出し、追い詰め、必ず捕まえる、そのためには何でもやる」という意志を強く見せ、なおかつ実行することだと思います。
 今岩手競馬のことを心配してくださっているファンの皆さんもそう思われるのではないでしょうか。





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最終更新日  2019年11月21日 22時24分50秒



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